世代No.1小園健太から評価は変わった?選抜で期待度を上げたドラフト候補投手たち
石田(東海大相模)、木村(北海)、達(天理)、畔柳(中京大中京)
センバツは東海大相模の優勝で幕が閉じた。
一冬超えれば、選手の勢力図は大きく変わってくる。それを予感させるセンバツだった。注目投手たちを紹介をしていきたい。
このセンバツで評価急上昇した投手といえば、このセンバツで優勝投手となった石田 隼都(東海大相模)。29.1回を投げて、44奪三振、2四球、無失点と圧巻の投球内容だった。年明けの期待度ランキングでは27位にしていたように、好投手とは評価していたものの、ドラフト候補に成りうるには急成長しなければ厳しい立場だった。
ただ今年の選抜では別人のようなピッチングを見せてくれた。 東海大甲府戦では最速146キロを計測し その他の試合でも140キロ前後の速球を投げ込み ピッチャーとして大きくパワーアップをしている。 関節が柔らかく、テンポが早く、腕の振りが全く見えにくい。
かなり打ちにくいフォームをしているため 140キロ前後でも 次々と空振りを奪うことができていた。そのストレートをさらに生かすチェンジアップの切れ味も抜群だった。 右打者、左打者問わず打者の手元で大きく落ちるチェンジアップで空振り三振を量産。
さらにコントロールも抜群。一好投手からこの世代を代表する左腕とイメージが変わった投手だろう。投手で順位付けすれば大きく伸びた投手だといえる。
まずはしっかりと休養し、さらにスケールアップした投球を期待したい。
小園 健太(市立和歌山)の 投球は世代トップクラスのものがあった。 140キロ後半の速球とスライダー、カットボールなどを県立岐阜商業戦では神経戦を制し、見事に完封を成し遂げたと投球術はさすがというものだった。 まだストレートはボリュームアップする予感があり このまま行けば世代ナンバーワン右腕は不動のものになりそうだ。
木村 大成(北海)も145キロを計測した速球、ハードな曲がりを見せるスライダーの切れ味は抜群。本人からすれば不本意の投球に終わったが、夏までに追跡される可能性が高い。
この2人は無事に大会を終えれば最上位クラスの評価をされていたかもしれない。それが達 孝太(天理)と畔柳 亨丞(中京大中京)だ。
達は193センチの長身から140キロ後半の速球は回転数が高く、フォークを織り交ぜた投球はワクワクさせるものがあった。そして畔柳は今大会の最速149キロをマーク。高回転のストレートは、今年出場した投手の中ではトップレベルのものがあった。そしてスライダー、チェンジアップを織り交ぜた投球は押し引きが非常にうまい印象があった。
ただ達は脇腹の違和感。畔柳は腕に力が入らない状態となった。全野球関係者、野球ファンが2人の全快を祈っている。春季大会ではこの2人以外の登用を期待したい。
伊藤樹は明徳義塾戦で無安打投球。しかし天理戦では打ち込まれる結果となった。高い足上げから投げ込む140キロ後半の速球は威力があり、多彩な変化球を投げなくても、ストレートで押す投球は爽快感があった。天理打線に打ち込まれた要因を多角的に見ていき、ぜひ上達をしていってほしい。
また秋不調ながらもその潜在能力を高く評価され、ビッグ4として注目された松浦慶斗と関戸康介の大阪桐蔭剛腕コンビは悔しい投球に終わった。松浦は常時130キロ後半の速球の威力は今大会屈指のものがあり、スケールの大きさはピカイチ。しかし1回裏に4点を失い、昨夏から大きく上積みした様子は見られなかった。
期待度が高い投手だけに、いろいろ悩んでいる様子は見られた。吹っ切れて、豪快な速球で抑え込む姿を見ていきたい。
関戸も大会前の練習試合、練習では好調で、150キロを計測したこともあったという。しかしこれが甲子園の怖さなのか、制球がままならず、145キロ前後を計測したとはいえ、甲子園で活躍した投手と比べると、投球の軸が見つけられなかった。
この2人はこれからの大阪大会。また6月には招待試合も予定されている。そうした公式戦からどれだけ内容のある投球ができるか注目をしていきたい。
(記事:河嶋 宗一)
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