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選抜優勝候補・仙台育英の初の日本一達成に欠かせないキーマン

2021.03.11

選抜優勝候補・仙台育英の初の日本一達成に欠かせないキーマン | 高校野球ドットコム
松田 隆之介、伊藤 樹、中村 和寛

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 2年連続14回目の選抜出場を決めた仙台育英。宮城県大会、東北大会ともに投手陣を中心とした安定した守備に加えて、9試合中5試合が2桁得点という攻撃力で見事連覇を成し遂げた。出場32校の中でも屈指の戦力を持つ仙台育英の戦力を今回は見ていきたい。

【投手陣の中心】
伊藤 樹(秀光中)
松田 隆之介(黒松利府シニア)
古川 翼(秀光中)
中村 和寛(宮城臨空シニア)
小林 寛大(美里町立南郷中)

 「継投が有効だ」と考える須江航監督は複数投手を擁するが、エース格としてチームを背負うのは伊藤樹になる。最速147キロを計測するストレートに合わせて、7つの変化球を自在に操る総合力が光る。昨秋の東北大会では準決勝・花巻東戦のみの登板となったが、4回からのロングリリーフで被安打4、奪三振4で無死四球という安定ある投球を見せた。

 一時期は不調でフォームを崩した時期もあったが、それをバネに成長し続けてきた。世代トップの好投手として選抜でアピールなるか。

 その伊藤とともに主力で活躍したのが松田と古川の2人だ。松田は東北大会の準決勝・花巻東戦を除く3試合すべてで登板し、防御率1.29という好成績。宮城県大会を含めても防御率1.80と言うピッチングだった。また昨秋の公式戦投球回20イニングに対して、奪三振25と高い奪三振能力に加えて、与四死球5と安定感もある。

 打者寄りで弾くようにリリースする古川は最速143キロを誇るサウスポー。東北大会の準決勝、決勝とともに先発を任されており、指揮官からの信頼も厚い。新2年生として選抜の舞台で活躍すれば注目度が増すのではないだろうか。

 この3人に加えて東北大会では中村、小林の両投手も登板。中村は185センチ86キロの大きな身体を活かしただダイナミックなフォームから角度を付けたボールは145キロを計測する真っすぐなどで相手打者を圧倒する。小林はコンパクトなフォームから安定した投球が光る技巧派だ。

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岡田 大成、秋山 俊、吉野 蓮、八巻 真也

【攻撃陣の中心】
3番 中 秋山 俊(登別ビッグフラップオーシャン)
4番 一 吉野 蓮(宮城北部シニア)
6番 三 八巻 真也(秀光中)
7番 左 岡田 大成(淡路市立北淡中)

 小学生の時は北海道日本ハムファイターズジュニアにも選出されている秋山は、公式戦で唯一2本のホームランを放ち、チームトップの12打点をマーク。走っても50メートル6.1秒の快足に遠投100メートルと走攻守でトップレベルの実力を持つ。

 その後ろに座る4番・吉野の世代屈指のスラッガーとして高い注目を集める。打点は秋山に続く11打点をマーク。先日行われた大手前高松との練習試合では、なるホームランを放つなど好調ぶりが窺える。またマウンドに上がれば最速143キロを計測する剛腕であり、二刀流での活躍となるのかも注目される。

 さらに吉野とともに11打点を記録して東北大会連覇に貢献した八巻も、強烈なフルスイングから快音を響かせる。加えて公式戦打率.484を記録しており、ミート力も長けている。7番の岡田はバットを鋭く振り下ろして強烈な打球を飛ばす。県大会では4番に任されることもあり、油断ならないスラッガーだ。

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渡邉 旭、島貫丞、浅野 洸司

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【走塁の中心】
1番 二 浅野 洸司(七ヶ浜シニア)
2番 右 島貫丞(秀光中)
5番 遊 渡邉 旭(いわきボーイズ)

 「今年のチームは走力があり、トーナメントに向いている」と評価されているチーム内でも走力が最もあるのが1番に座る浅野。50メートル5.9秒で駆け抜ける快足を活かして、チームトップの8盗塁を記録している。2番・島貫主将は公式戦こそ2盗塁だが、練習試合まで見ると22盗塁と浅野に次ぐ記録を残している。強力クリーンナップの前に2人が塁に出られると得点力は大きく変わるのではないだろうか。

 5番の渡辺も練習試合まで含めると11盗塁を成功させており、打率も練習試合まで入れると5割を超えており、巧打者としても期待がかかる。

【春に浮上するには】
 秋を振り返っても「選手全員が戦力として戦えた」と納得していた須江監督。投打ともに戦力が揃っており、充実の戦力であることは間違いない。日本一の競争を通じて、今回紹介できなかった控えメンバー。さらに秋はベンチ外だった選手が台頭すれば、選抜でも上位進出に繋がることが十分考えられる。

 仙台育英をはじめとした東北勢初の日本一へ。歴史に名を刻むチームになるか選抜での戦いは注目だ。

(文=田中 裕毅

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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