目次

[1]伊藤を支える7つドリルを紹介!
[2]本人解説による球種のポイント

 最速147キロを計測するストレートに軸に、多彩な変化球を駆使する仙台育英が誇る世代屈指の好投手・伊藤 樹。これまでの連載では、入学時から現在の歩みについて紹介してきた。

 そんな伊藤が操るボールの数々は、1つ1つ精度が高いのが特徴的だが、それぞれどういった意識で投げているのか。さらにピッチングフォームへの意識やポイント。そして試合前に行う7つのルーティーンなど、今の伊藤を支える技術論をvol.3では紹介していきたい。


これまでの記事はこちらから!
スーパー中学生から147キロ右腕となった伊藤樹(仙台育英)がぶつかった高校野球の壁 vol.1
147キロ右腕・伊藤樹(仙台育英)はいかにしてチームのエースにまで復活したのか vol.2

伊藤を支える7つドリルを紹介!


ーー始動して脚を高く上げるフォームが印象的ですが、ここはどういった意識があるのでしょうか。
伊藤:足をしっかり上げないと軸足に力が伝わっている感じがなくて、感覚的に嫌なんです。だから足を高く上げて、しっかりと軸足に力が溜まっているところから始動するように心がけています。

ーーそこからの重心移動ですが、滑らかに動いているのが印象的です。その辺りは強いこだわりがあるのでしょうか。
伊藤:足を上げきったら、股関節にしわを作るように一度折ってあげて、股関節にタメを作ります。イメージとしては丸くなる感覚なのですが、そこから各部位はそれぞれ違う方向に動き出す感覚を大事にしながら、真っすぐ身体を開かないように重心移動をします。いかに長く横移動が出来るか、そして左腕の使い方がポイントだと思っています。

ーーその左腕なのですが、どういったイメージで使うことを心がけているのでしょうか。
伊藤:最初は顔の高さで構えてあげて、割る動作に入ったときに内旋をしながら下から上へ回すように腕をあげていきます。この時に三塁方向に出してあげることで、胸郭が閉まった感覚があって開きを抑えます。そこからは肘から畳んであげて、胸の下あたりでおさめて、最後に身体を回転させます。

ーー上半身についてはポイントがありますか
伊藤:特になくて、下半身の動きに連動して上半身が使えるように、ほとんど力まないで振るようにしているくらいです。

 ポイントとなるのが、軸足と重心移動の長さをどれだけ作れるか。ここに力を入れて伊藤は日ごろから取り組むドリルがあるという。それが以下の7つだ。
・股関節を折って重心を乗せた状態で足を上げる、もしくは地面についた状態で重心移動して投げる
・左腕を内旋させた状態で腰に当てて、肩で真っすぐのラインを作って投げる
・正対した状態から上半身を捻って投げる
・投げる方向に対して横向きになって、軸足の股関節にタメを入れて左足の股関節からお尻あたりに重心を移すために踏み出した時に、上半身を捻ってあげて移動する方向とは逆方向へ投げる
・正対して真っすぐ足を上げた状態から上半身を捻って投げる
・軸足が前に折れないようにするために3回飛んでから投げる
・あらかじめ左足の股関節にタメを入れてから、ワンステップ入れて投げる

 これをすべて試合前のキャッチボールで実施するのが伊藤のドリル。こうした繊細な取り組みを1つ1つきっちり取り組むことが、現在の伊藤のフォームを作り上げているのだ。