【12球団ドラフト指名予想】”おかわり”の後釜を!埼玉西武の1位にふさわしい選手とは?
今年もスポーツライターの小関順二さんをお招きし、12球団のドラフト指名予想を行っていく。
この指名予想は指名人数、指名選手を予想するのではなく、その球団の姿勢を表す1位指名は誰にすべきなのか?を考えていくものである。長期的な視野に立った指名なのか、現実に即した指名なのか、目先しか見えていない指名なのか。その観点について徹底的に語っていく。
今回は現在パ・リーグ2連覇中の埼玉西武のドラフト指名予想を行う。
埼玉西武
〈順位〉3位
〈勝-敗-分〉52勝51敗3分
〈勝率〉.505
〈打率〉.237
〈防御率〉4.23
*成績は10月25日時点
一番緊急なのはサード・中村剛也の後釜!
近畿大・佐藤輝明(仁川学院出身)
ーパ・リーグ2連覇中の埼玉西武ですが、ここまでの戦いぶりはいかがでしょう?
小関:そうですね。相当厳しいですよね。野手は今まで盤石でしたが、野手がちょっと機能しなくなってきたというか、森 友哉(大阪桐蔭出身)は守りの面で物足りなくなってきたので新人の柘植 世那(健大高崎出身)とかを使っているわけですよね。山川 穂高(中部商出身)も打率がぐっと下がって苦労しています。外崎 修汰(弘前実出身)も出るときはセカンドと外野を掛け持ちです。器用貧乏みたいな扱いをされているのが持っていないのでセカンドか外野どちらでもいいですが外崎を固定させたいと思っています。
例えば、中央大の牧 秀悟(松本第一出身)をセカンドとして獲って外崎を外野にするというようなことをしてもらいたいです。
ただ、一番緊急なのはサード・中村 剛也(大阪桐蔭出身)の後釜ですよね。
小関:そうですね。彼が一番ぴったりはまりますよね。やっぱり西武は打線がものすごいチームなので、佐藤のスケールはそれにぴったり合いますよね。守備で多少エラーしても辻監督は目をつぶって使い続ける気がしますね。
サードの中村が今年は衰えてきていますし、栗山 巧(育英出身)はいいですが、外野が全体的に弱く、あれだけの打線でもほころびが見え始めています。元々投手ばかり上位で指名いてきたチームなのでこうなるのは当たり前なんですよ。大体主力はドラフト2位、3位ばかりでしょう。他球団は野手に注目し始めているので上でどんどんいい選手を獲られて、3番目にはいい選手が残っていないと思われます。
ー確かに去年の戦いを見ていても、機能しなくなった時に入れ替わる選手の層が薄いかなと感じます。
小関:レギュラーは盤石なのですが、彼らがちょっと欠けるとそれを補う選手が出てこないですよね。外野だって鈴木 将平(静岡出身)、川越 誠司(北海出身)、高木 渉(真颯館出身)なんかが出てくる絶好のチャンスなのですが一つと飛び出し切れてないですよね。やっぱり木村 文紀(埼玉栄出身)金子 侑司(立命館宇治出身)あたりがしぶとく守っていますよね。若手が出てきてほしいですよね。
ー投手より野手の緊急度の方が高いということですか?
小関:先発はだらしないんですけど、中継ぎは意外と抑えています。抑えの増田 達至(柳学園出身)に間んしてはソフトバンクの森 唯斗(海部出身)と並んでリーグを代表する抑えですし、防御率は去年は今1点台で、今年も1点台と2点台の境目ですよね。
中継ぎには平井 克典(飛龍出身)、平良 海馬(八重山商工出身)、ギャレット、小川 龍也(千葉英和出身)、森脇 亮介(塔南出身)もいる。抑え、中継ぎはいいのですが、先発がいないんですよね。早稲田大の早川 隆久(木更津総合出身)という線も出てくると思うんですけども、それよりも野手、中村 剛也の後釜の方が緊急だと思います。
スタメンの中でドラフト1位が一人だけというのは寂しいですよ。控えでも、ピッチャーでは木村ぐらいしかいないですよ。そんなチームじゃ優勝できないですよ。
ー野手では牧選手が入ってくると楽しみですね。
そうですね。牧はヤクルトの山田 哲人(履正社出身)をひとまわり小さくした感じですけど、リストが強くとてもいい選手だと思います。
西武編は以上。今季は苦しんでいる西武だが、佐藤 輝明のようなスケールの大きい選手を指名して長期的に育成して行くことが重要ではないではないか。