試合レポート

創価vs共栄学園

2020.10.24

7回コールドで創価が3回戦へ!新エース・杉江敏希が好投で共栄学園下す!

創価vs共栄学園 | 高校野球ドットコム
創価・杉江 敏希

 昨秋、そして今夏の西東京大会でベスト4と躍進が続いている創価。その創価に挑んだのが共栄学園。夏は3回戦で姿を消したが、昨秋はベスト8まで勝ち残っており、東東京の中では存在感を発揮しつつある。

 2回までは0対0と一進一退の攻防が続く中で迎えた3回、創価は一死三塁から1番・高沢 春佑のタイムリーで先制に成功。先手を打つことが出来たが、1番・高沢は旧チームからの経験者。

 175センチ78キロのがっちりとした体格で余裕をもって打席に入り、足を小さく上げてタイミングを取る。軸のブレも小さく、コンパクトな構えからバットを振り抜いていく。また二塁打を放ったときのセカンド到達は7.7秒と足も持ち合わせており、対戦する投手にとっては厄介な打者ではないだろうか。

 4回には共栄学園バッテリーのミスで2点目を奪うと、5回には5番・小松 稜平のタイムリーなどで3点を追加した創価。小松は身長167センチと小柄なキャッチャーではあるが、肩が強く、鋭い送球を見せる。

 打っても軸で回転をすることができ、目線のズレが少ない。目立った癖があまりなく、反動を使わなくてもライナーの打球を飛ばすパンチ力がある。主将であることから、文字通りチームの大黒柱という存在だ。

 5対0とリードを広げた創価の先発はエース・杉江 敏希。中学までは近畿の方で過ごしてきた杉江は、片桐監督からの誘いや練習見学で創価へ進学した1年生。その片桐監督からは「身体能力は高いと思います」と評価されるように、ボールの質は高い。

 セットポジションから「突っ込むことが多いので、後ろに残せるように。あとは、くの字ステップをできるようにするために、時間を作りたい」ということでヒールアップしてタイミングを測ると、そこからスリークォーター気味に腕を振り抜いていく。

 伸びのあるストレートや切れ味鋭いスライダー。さらには緩急をつけたカーブ、チェンジアップと変化球もストライクゾーンに集めるテンポよい投球で共栄学園にホームを踏ませない。

 すると7回に創価は一死二、三塁から7番・室田 大和が片手一本で拾った当たりがレフト前に落ちて2点追加。これで決着をつけた創価が7対0で共栄学園を下して、3回戦へ駒を進めた。

 勝利の大きく貢献する好投を見せたエース・杉江は収穫と反省を感じていた。
「序盤は力が入ってしまいましたが、最後の方にバックの方に声をかけてもらい、リラックスして投げられました。まだまだ課題はありますが、次につながると思います」

 自分に厳しい1年生エースだが、共栄学園の原田監督は杉江に対してこう話す。
 「とにかく浮いてきたストレートを打っていこうといいましたが、思った以上に伸びましたし、コントロールも良い。1年生でこれだけ投げられるのは『素晴らしい』の一言です」

 これから練習に集中できる期間に入る。原田監督は「強敵を前には自分たちの弱さが見えてくると思いますので、それを理解して、自分たちで克服できるような投げかけをやっていきたいです」と課題をやらせるではなく、選手たちから課題に取り組んでいく必要性を語った。

 勝った創価は次なる相手が日大豊山。旧チームのようなタレントが揃っているわけではないが、総合力が高い印象を受けるチームになっている。次戦に向けて片桐監督は「投手を中心に粘り強く、うちらしく戦えるように準備していきたいです」と語った。次の試合はどんな野球を見せるか注目したい。

(記事=田中 裕毅)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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