右サイドの豪腕・美又王寿(浦和学院)が次のステージで活躍するための課題は?
今まで紹介した逸材たちはこちらから!
練習会に参加した高田竜星、松村力、加藤優弥、上田 洸太朗と北信越、東海を代表する剛腕4名を徹底分析
千葉葵、森本修都など練習会でベールを脱いだ4人の好投手たち
アピールに成功したのは?誉田貴之、曽我幸大、末田龍祐など練習会に参加した5人の捕手を徹底レポート!
美又王寿(浦和学院)
現代のドラフト候補は縦の角度から投げ込む投手は非常に多い。その中で横の角度で勝負するのが美又王寿(浦和学院)だ。右スリークォーターから最速148キロの速球を投げ込む右腕だったが、さらに腕の角度を落として右サイド気味となった。そんな美又の将来性について考えてみたい。
はっきりいえば荒々しい。コントロールが課題となるだろう。
まず常時140キロ~148キロを計測するストレートの勢いは素晴らしいものがある。特に145キロ以上のストレートは簡単に打ち返せないものがある。
ただ安定してストライクを取れるタイプではなく、シュート回転して荒れ球になるボールも多い。
投球フォームを見ると非常に捻りを入れる。ワインドアップから始動し、左足を回し込むように上げていき、重心を下げる時に左足を二塁方向に送り込むのが特徴。そこから左足の膝を開きながら、体を拗じらせるように腕を振っていく。強いパワーを生み出しているが、制球力が良い投手と比べるとリリースポイントがばらけやすい形であり、再現性は乏しい。
個性ともいえるが、先発になると球数を重ねるケースがあり、埼玉大会の投球を見ると、何度もピンチを迎える場面があった。
上のステージで、優位的に投球ができるようにするには、今のメカニズムでストレートの球速だけではなく、スライダー、フォークのスピードを高めて圧倒するか、メカニズムの研究を行ってさらに制球力を高めるか。
馬力は素晴らしいものがあるだけに、さらに投球術、メカニックの研究を行って更なる活躍を期待したい。
関連記事
◆第1186回 140キロの剛腕左腕だった早真之介が高校通算27本塁打を誇る京都屈指のスラッガーになるまで【前編】
◆第1174回 完成系は稲葉篤紀か?高校通算27本塁打・早真之介が見据える、ラストサマーへの想い【後編】
◆今年の近畿地区は野手豊作年。土田龍空(近江)、西野力矢(大阪桐蔭)などすでに8名がプロ志望を表明