投手MVP・伊藤 大海(苫小牧駒澤大3年) 気合と冷静さを兼ね備えた「火の玉ストレート」
真ん中で三振の取れるストレートをアピール
紅白戦で2回無安打4奪三振の侍ジャパン大学代表候補・伊藤大海(苫小牧駒澤大3年・投手・駒大苫小牧)
最終打者に投げた80キロ台カーブを除く30球中29球がストレート。だが、伊藤 大海が2回・6人の打者を無安打4奪三振で抑えるにはそれで十分だった。「わかっていてもないようなボールを目指しているし、握りもボールをつぶすイメージで投げている」
ストレートの軌道は「1~2イニングだけを投げるだけなら大学生では打てない」と大学野球関係者も認める最速147キロ以上の伸びとキレを持って捕手のミットに突き刺さっていた。
その様子をつぶさに見ていた某NPB球団のスカウトも伊藤をこう絶賛する。
「日米大学野球選手権ではよくなかったけど今日の紅白戦はよかったです。真ん中に投げても空振りが取れている。自分をアピールする方法も知っていますね」
「自分の勝負球であるストレート」を限られたイニングで明確に示せる辺りは、さすが2017・2018年と侍ジャパン大学代表に入った実力者といえるだろう。
23歳の4年生・ドラフト1位を目指す2020年へ
とはいえ、伊藤自身は先輩風を吹かせることまったくない。「3回目の侍ジャパン大学代表になるが、いろんなことを吸収し僕も向上心を持って課題を持っていけたら」。よって、その先に目指すものも明確だ。
「(駒澤大を1年秋に中退して)苫小牧駒澤大に入り直した時から、プロに入ることを目標にやってきました。だから、これからもやるべきことを変えず、自分と自問自答しながらやっていきたい」
来年8月31日には23歳を迎える伊藤 大海。「おりゃ!」の気合と同時に放たれる火の玉ストレートと自己を客観視できるクールなハートを兼ね備えた豪腕は、侍ジャパン大学代表入りと念願のプロ入りはもちろんのこと、「ドラフト1位」をも視野に入れた2020年に挑んでいく。
(記事=寺下 友徳)
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