帝京vs実践学園
背番号10の田代涼太が好投!実践学園を下し、帝京が完封勝利!
春の都大会でベスト8まで勝ち進んだ帝京。対するは実力校・実践学園。勝てば4回戦進出が決まる一戦が、雨が降る[stadium]明治神宮球場[/stadium]で行われた。
帝京は2年生の背番号10・田代涼太が先発。「前から決めていたことなので、試合の10日前くらいから話をしていました」と前田三夫監督が前々から考えていた先発の田代は、ワインドアップからゆっくりと始動し、滑らかなフォームから最速137キロのストレートにスライダーとツーシームを武器にピッチング。
初回は、実践学園3番・拓榴英樹にライト前を許すものの、4番・吉村昇摩を三振に取る立ち上がり。2回は、二死から7番・鳥居亮生の二塁打と8番・紺野広流に死球を与えて一、二塁。先制のピンチだったが、9番・松岡琉音を三振に取り、ピンチを脱する。
序盤の田代はフォームに力みがあり、ボールが浮くことが多く安定感がなかった。田代本人は、「緊張をしていたのでボールが抜けてしまいました」と少し笑顔を見せながら振り返った。
緊張している田代を救うかのように、2回裏の帝京の攻撃。先頭の4番・小松涼馬が内野安打で出塁すると、盗塁と6番・武藤闘夢、さらに7番・加田拓哉の四球で一死満塁。ここで8番・浜崎斗馬の打球を相手がエラーし先制点をもぎ取る。
すると田代はリラックスできたのか、フォームに力みがなくなり低めを丁寧に突くピッチング。ここから6回まで三者凡退を続け、流れをチームに手繰り寄せる。
打線は3回に二死一、三塁から5番・藤波怜央の左中間へのタイムリーで3対0。リードを広げるものの、実践学園の先発・松岡の外角中心の緩急をつけたピッチングに追加点は奪えない。
「終盤疲れて肘が下がってしまった」と田代は反省をするもの、3対0のまま何とか実践学園の反撃を抑える。そして最後は、代打攻勢に打って出た実践学園の攻撃をしのぎ切りゲームセット。投手戦を制した帝京が初戦を完封勝利で飾った。
試合後、前田監督は「相手は投手も打線も良い。はまったら向こうのペースになってしまいますので、先取点はやらない。とにかく警戒はしました」と、緊張と初戦の重みを感じながらの勝利だった。そして先発の田代については、「先頭への四球はダメですね。ただ踏ん張って投げられたと思います」と初戦のマウンドを投げきった2年生に檄を送った。
その田代は3回以降は安定感を取り戻したが、ここにはベンチでのあるやり取りがあった。「直原コーチに『3年生の最後の夏だと思ってしっかり投げろ』と言われて開き直れましたし、そこからギアを上げていきました」
また「team]実践学園[/team]打線について、「コースに逆らわない、そしてしっかりバットを振ってくるので甘く入らないようにしました。加えて粘りもあったので、スライダー中心に変化球でかわそう」とスライダーを軸にカウントを整えて、打ち取るピッチングで抑えることができたことが勝利につながった。
田代は188センチ90キロと大柄な投手である。そこを生かすべく本人が大事にしているがバッターの近くでリリースすること。「歩幅を6.5か7歩にすることで、前でリリースできるようにすることで長身を生かしています」
初めての神宮の広さを感じながら公式戦初完投、そして初完封をもぎ取った田代。「2回の先頭への四球と肘が下がってしまったのは反省です。後ろには頼れる仲間もいるので飛ばしていって、次も打たせて取るピッチングをしたいです」と最後は意気込みを語った。
そして前田監督は、「もう少し確実性を上げて打てればと思います」と次の試合に向けて打撃陣にも期待を込めた。投手を中心に今年のチームカラー・守備で勝利を手にした帝京。東東京の強豪が今年も神宮球場で勝ち進む。
2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会
■開催期間:2019年7月7~7月27日(予定)
■組み合わせ表【2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会】
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