前編では、野球を始めたきっかけや、尚志館に進学しチームの中心選手となるまでの成長に迫った。秋はベスト16止まりだったが、春の鹿児島大会はエース、3番打者として活躍し、4強入りしてセンバツ出場以来となる6年ぶりの九州大会にも出場した。「夢のままで終わらせずに、現実にしたい」と最後の夏にかける思いを語ってもらった。
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ウィークポイントのある選手からチームの中心選手に成長!福重 圭誇(尚志館)【前編】
「全国レベル」を身をもって体験した春
力投する福重 圭誇(尚志館)
春の鹿児島大会は4強入りして九州大会を勝ち取ったが、準決勝・神村学園戦は中盤に大量失点し、後半追い上げるも及ばず。九州大会では初戦で福大大濠の2年生左腕・深浦幹也を打てず、7回コールド負けだった。
「今まで見たことがないスピードとキレがあって、手も足も出なかった」と、無安打に終わった試合を振り返る。初めて「県外のレベル、全国レベル」の野球がいかなるものか、身をもって体験できた。
この春は打者だけでなく、投手としてもエース番号を背負い、チームの躍進に大きく貢献した。
チームでは川﨑虎勇人(3年)、上之園慶真(3年)と3人でエース番号を争っていたが「ボールに一番力がある」(鮎川監督)福重が勝ち取った。
打力を中心に攻撃力では県下トップクラスにあることは5月末のNHK旗で鹿児島大島、鹿児島玉龍、樟南に勝って準優勝したことでも手応えをつかめた。
夏を勝ち上がる上で大事になってくるのは投手を中心とした守備力の向上である。福重は初戦の大島戦、準決勝・樟南戦で先発、完投し期待に応えた。
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更なる高みを目指して
甲子園を目指す福重 圭誇(尚志館)
元々、投手経験もほとんどなく、高校で自分がマウンドに立ってチームの中心になる姿を想像していなかった福重。
だが「夏も自分が1番を背負いたい。もっと成長して自分がリードして投手陣を引っ張っていきたい」と意欲を燃やす。
14年に同じ大隅半島の鹿屋中央が夏の甲子園出場を果たして以降、近年は鹿児島実、樟南、神村学園と再び薩摩半島の強豪校の寡占状態になりつつある。
「大隅から[stadium]甲子園[/stadium]」がかつてのように実現不可能な夢物語の話でなく、それを現実に叶えた先輩たちの姿を見て尚志館を選んだだけに、自分にとって[stadium]甲子園[/stadium]ラストチャンスの夏は「夢のままで終わらせたくない」気持ちが人一倍強い。
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文=政 純一郎