Column

何の不自由もなく過ごしてもらいたい、理想は気の利くマネージャー!関大北陽(大阪)

2019.03.13

 昨春は大阪府大会で準優勝、昨秋はベスト8の成績を残したが、惜しくも秋季近畿大会を逃した関大北陽。着々と力をつけ、春に向けて努力を続ける48人の選手を支えるマネージャーの2人。日々の活動、その中で感じる思いについてお話を伺った。

身体が大きくなっていく姿にやりがいを感じる


左から丸井楓雅さん、川北収史さん

 関大北陽野球部を支えるマネージャーは、2年生の川北収史さん、同じく2年生の丸井楓雅さんの2名である。普段の主な活動は、平日の練習後に食べる味噌汁やおにぎり作り、アップの際の笛での合図に加え、なんと選手の体重管理まで行っているのだという。ちなみに、味噌汁のダシはインスタントの粉ではなく、昆布とカツオで1からとるというこだわりっぷりである。

 様々な活動を行っている関大北陽野球部のマネージャーだが、体重管理や練習中の選手を見ている中で、選手の体が大きくなってきた事に気が付くと、「日頃自分達が作っている補食に意味があるんだな」とやりがいを感じるのだという。また、頑張っている選手の姿を見ながらおにぎりを作る時間は、活動の中でも1番楽しい時間だそうだ。

 選手の体調管理には特に気を配る事を心掛けているというマネージャーの2人。重い荷物を持っていると何も言わずに代わって運んでくれるところには思わずキュンとしてしまうと話してくれた。

 特に思い出に残っている試合を尋ねると、2018年10月11日に[stadium]万博記念公園野球場[/stadium]で行われた秋季大阪府大会準々決勝・大阪桐蔭戦を挙げてくれた。(試合レポート

 この試合は初回から動いた。大阪桐蔭が2点を奪うと関大北陽も3点を取り逆転に成功。その後も両者共に点を奪い合う展開が続いた。大阪桐蔭が2点リードで迎えた九回、関大北陽は2点を奪い同点に追いつくも、迎えた延長11回、大阪桐蔭に追加点を奪われ試合に敗れた。

 「負けてはしまいましたが、シーソーゲームで『絶対に負けたくない』という選手たちの気持ちが表れていて、とても感動しました。」とこの試合を振り返った。

 昨夏に引退した先輩マネージャーについては、「初めは不安だらけの私に、細かいところまで何度も教えてくれて、気の利くとてもいい先輩でした。」と教えてくれた。

[page_break: 自撮りで励ましてくれる仲間とともに甲子園へ!]

自撮りで励ましてくれる仲間とともに甲子園へ!


選手のためにプロテインを準備する丸井楓雅さん

 中学時代は硬式テニス部だった丸井楓雅さんだが、マネージャーになったきっかけは、「幼い頃から野球が大好きで、毎日テレビで観ていました。高校野球を観た時に、私も高校生になったら人をサポートして一緒に大きな舞台に立ちたいと思ったのがきっかけです」と振り返り、もしもマネージャーになっていなければ「周りの人の事を考えれずに、ただ毎日を過ごしていたと思います」と話す。

 マネージャーという活動を通し、「自分自身まだまだですが、入部当初よりは周りの事に気付けるようになったと思います」「監督やコーチ、選手に何の不自由もなく過ごしてもらえるよう、気の利くマネージャーになりたい。」と目標を語ってくれた。

 マネージャーの活動の中で嬉しかった事は、毎年作っているお守りを選手たちに渡すと必ず感謝をしてくれる事、さらに、先日行われた小学1~4年生を対象とした野球教室が好評だった事だという。


仕事をする川北収史さん

 ここまでお話を伺い、しっかり者に感じる丸井さんだが、活動の中で挫折しかけたこともあったという。「選手とのコミュニケーションがうまくいかず、何をしても失敗をしていた時はすごく辛かったです」と当時を振り返る。

 しかし、そんな時に励ましてくれたのも仲間だった。「私が毎日失敗ばかりで暗かった時、選手が携帯に自撮りを送ってきてくれたんです。」と元気をもらった時の様子を語ってくれた。また、「みんなで一緒に甲子園に行こう!」この言葉がシンプルで心に凄く響いたという。

 マネージャーという存在については「みんなを裏から支えてあげる存在。私もそうなっていればいいな。」と話す丸井さん。苦楽をともにする選手たちには「辛いことにも負けず、甲子園に向かって頑張ろう!!」と力強いエールを頂いた。

 いよいよ春の公式戦が始まる大事な時期。成長を続ける関大北陽野球部と共に闘うマネージャー達の活躍にも注目である。

(文=編集部

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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