Column

蒲郡(愛知)必須アイテムのカメラを片手に、選手を支える!!

2018.05.06

 南には三河湾、北にはミカン畑が広がる自然豊かな場所に立地する愛知県立蒲郡高校。自律・礼節・勤勉を校訓に掲げる蒲郡高校の卒業生には、昨年のWBCで大活躍し、一躍福岡ソフトバンクホークスのエースにまで成長した、千賀滉大選手がいる。
 今回は千賀選手の母校、蒲郡高校の野球部のマネージャーは、日々どんな仕事をしているのか。そして、常に何を考え行動しているのか、お話を伺った。

選手想いだからこそ持ち歩くカメラ


蒲郡高校野球部マネージャー

 愛知県立蒲郡高校野球部は、新2,3年生の選手22名が所属している。その選手たちを支えるマネージャーが、木村日香梨さん(新3年)、深谷奈緒さん(新3年)、藤根鞠香さん(新3年)、宮野由梨さん(新3年)、西込萌子さん(新2年)の計5名だ。

 そんな彼女たちの日々の仕事を聞いてみると、練習の準備はもちろん、環境整備、お茶づくり、試合の時にはスコアやアナウンス、BSOのカウントといったことを主な仕事として挙げてくれた。

 一般的なマネージャーたちも務める仕事の中に、他のチームにはない仕事もあった。それはBGMの選曲である。
 ランメニューの時に甲子園のテーマソングなどの音楽を流すようにして、選手たちのモチベーションを上げるようにしていると話してくれた。

 そういった仕事をしている中で、選手を第一に考え、いかに効率よく、練習しやすい環境を作れるか。また精神面でもサポートできるように、声掛けも大事にしている。

 選手のことを最優先に仕事をする中で、楽しい瞬間はベンチでスコアを書いている時だ。選手たちの一番近くで応援できて、一緒に喜ぶことができるからだと理由を挙げてくれた。
 選手の努力が実り、試合に勝利した時の笑顔を見ることができたときにやりがいを感じている彼女たち。プレーの時に見せる選手の真剣な眼差しにときめくことも。

 選手への想いの強さは他のチームのマネージャーに負けないと話してくれたが、やりがいや楽しい瞬間を聞くだけで、その選手への想いの強さをうかがい知ることができる。

 効率よく練習をできるようにするために必須のアイテムとして、カメラを挙げてくれた。
 練習中に選手のフォームを確認するためにはカメラが便利なため、肌身離さず持ち歩いているそうだ。

 今までの日々で印象的なことを聞いてみると、2年前の夏の大会の初戦を挙げてくれた。
 2つ上の先輩たちは、カッコ良く、憧れの存在だったからこそ、頑張る原動力となり同時に元気をもらい支えてもらっていた。
 そんな先輩たちと臨む初めての公式戦の前日、先輩が「まだ一緒に部活をやるよ」と言い、本当に試合に勝利し、一緒に練習できる時間が伸びたことが今も印象に残っていると話してくれた。

 だが、昨年の夏はまた違った理由で印象に残っている。西尾東との1回戦、劣勢の場面で代打出場した後輩がヒットを打ってくれたのを見て、チャンスに強く・精神力が強い選手だと思ったことが理由だと答えてくれた。

[page_break:頼られることで得られた成長]

頼られることで得られた成長


選手ともに調理をしている様子

 ここからは7名のマネージャーを代表して、新3年生の藤根鞠香さんにお話を聞いた。

 高校野球に一番近くで関わりたいとの理由で、中学時代やっていたソフトボール部を続けず、野球部のマネージャーになった藤根さん。

 最初は選手の考えていることがわからずに悩み、挫折しかけた。しかし、あきらめずに続けたことで、周りを見る目や礼儀といった人として大事なことを多く学び、成長したと感じている。

 マネージャーをしていると、公式戦の時はチームのことだけでなく球場アナウンスなどの大会運営の仕事も任される。そういった誰かに頼られることに喜びを感じるようになり、公式戦の際に本部の先生方に褒められたことが印象に残っている。

 3年生として最後の夏を迎える藤根さん。3年間で心に残っている言葉を聞くと、同級生からの言葉を挙げてくれた。
 大好きな先輩方が引退した時、自分も一緒に引退したいと思っていたときに、「俺と一緒に引退するぞ」という言葉が今も心に突き刺さっている。

 最後に選手たちに向けて、「甲子園に行くぞ!」と力強い一言を残してくれた。

 藤根さんの理想とするマネージャーは、チーム・選手にとってのお母さんのようなマネージャーだと話してくれた。自分の子どもとも思える選手のことを一番に考え、動き続ける藤根さんはじめ、蒲郡高校野球部マネージャーの効率化を図る日々は今も続く。

文=編集部

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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