試合レポート

浦和学院vs花咲徳栄

2018.05.04

浦和学院が花咲徳栄をサヨナラで下して春季大会6連覇!

浦和学院vs花咲徳栄 | 高校野球ドットコム
9回裏に土壇場で同点に追いついた浦和学院

 春季高校野球埼玉県大会の決勝は3年連続で同じ顔合わせとなった。昨年は、7対6で浦和学院が延長10回サヨナラ勝ちを収めており、一昨年も浦和学院が7対6で花咲徳栄に競り勝っている。
 春季大会6連覇が懸かる浦和学院は、ここまで県大会の4試合を5失点と、安定した投手陣を土台に勝ち上がってきた。対する花咲徳栄も秋春連覇が期待されており、ここまで県大会の4試合で55得点を叩き出す圧倒的な打撃力を武器に勝ち上がってきた。埼玉の頂上決戦に相応しい強豪同士の一戦となったが、試合は壮絶なシーソーゲームとなった。

 まず先制したのは花咲徳栄だった。
 2回表、花咲徳栄は先頭の4番・野村 佑希が右中間を破るツーベースで出塁すると、進塁打で野村を三塁に進め、6番・倉持 賢太が打席に入る。倉持は甘く入ってきた球を捉えると、右中間を破るタイムリーツーベースとなり三塁ランナーの野村が先制のホームを駆け抜けた。さらにチャンスは続き、一死一、二塁の場面で7番・井上 朋也が三塁線を破るタイムリーツーベースを放つ。これで二塁ランナーが生還し、花咲徳栄がまずは2点を先制した。

 しかし3回表、浦和学院も反撃に出る。
 先頭の7番・荒木 祥希のスリーベースヒットを皮切りに無死満塁のチャンスを作ると、1番・中前 祐也の二ゴロの間に3塁ランナーが生還し1点を返す。さらにその後、二死二、三塁とチャンスを広げると3番・河北 将太がランナー二人を帰すタイムリーヒットを放つ。浦和学院はこの回3点を挙げて、3対2と逆転することに成功した。

 このまま浦和学院がリードしたまま前半戦を終えるかと思われたが、その直後の3回裏に今度は花咲徳栄が反撃に出る。
 二死二塁の場面で、9番・田谷野 拳世がレフトオーバーのタイムリーツーベースを放って同点に追いつくと、さらに続く1番・橋本 吏功もライトへタイムリーツーベースを放ち、二塁ランナーの田谷野が生還。この回2点を追加して、得点は4対3となり再び花咲徳栄がリードする展開となった。
 その後は両者得点を挙げることが出来ずに前半戦を終え、試合は勝負の後半戦に突入した。



浦和学院vs花咲徳栄 | 高校野球ドットコム
同点ホームランを放ちガッツポーズをする蛭間拓哉(浦和学院)

 試合は取られたら取り返す、壮絶なシーソーゲームとなったが、後半戦に入り最初に追加点を挙げたのは花咲徳栄だった。
 7回表、花咲徳栄は4番・野村 佑希、5番・羽佐田 光希の連続ヒットで一死、一、三塁のチャンスを作ると、ここで先制打を放っている6番・倉持 賢太が再び右中間を真っ二つに破るタイムリーツーベースを放った。大きな追加点が花咲徳栄に入り、点差は2点に広がった。
 だが7回裏、浦和学院も離されまいと必死に食らいついていく。先頭の6番・小町竜梧がライトへのスリーベースを放つと、続く代打・後藤のセカンドゴロの間に三塁ランナーの小町が生還。再び1点差に迫り、勝負は終盤までもつれ込んだ。

 その後は両者得点を決めることが出来ず、試合は最終回に突入した。
 9回裏、1点差を追う浦和学院は5番・蛭間拓哉が先頭バッターの打席に立つ。甘く入ってきた球を振り抜くと、打球はバックスクリーン左へ飛び込むホームランとなった。
 土壇場で同点に追いついた浦和学院は、これで一気に勢いづいた。6番・小町竜梧、7番・後藤の連続ヒットなどで満塁のチャンスを作ると、最後は2番・矢野壱晟が死球をもぎ取りサヨナラ勝ち。壮絶なシーソーゲームにピリオドを打ち、浦和学院が6年連続15度目の優勝を果たした。

 

 優勝した浦和学院、そして準優勝に輝いた花咲徳栄は、5月19日に開幕する関東大会への出場権を手にしており、花咲徳栄は3年連続10度目、浦和学院は6年連続19度目の出場となる。埼玉の高校野球を牽引していると言っても過言では無い両校が、関東大会でどんな戦いを見せることが出来るのか注目だ。

  

(取材・写真=編集部)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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