高校野球の二段モーションはこれまで通り反則投球になる!
ピョンチャン(平昌)オリンピック13日目。スピードスケートの女子団体パシュートで日本チームが金メダルを獲得。髙木美帆選手、髙木菜那選手、菊池彩花選手、佐藤綾乃選手おめでとうございます!
さて、昨日は日本高等学校野球連盟の理事会が行われ、U-18アジア選手権高校日本代表監督と2018年高校野球特別規則が承認されました。
≪U-18日本代表監督に永田裕治氏>>
まずはU-18日本代表。今年のアジア選手権、来年のワールドカップの高校代表監督に報徳学園前監督の永田裕治さんが就任することが決まりました。
この高校代表監督について詳しくは明日書きたいと思います。
≪高校野球では申告制敬遠は採用せず、二段モーションもこれまで通り反則投球≫
つぎに高校野球特別規則の一部改正です。昨年からの大きな変更は3箇所。
高校野球特別規則
22.タイブレーク制度の採用
27.申告故意四球の取り扱い(新)
28.反則投球の取り扱い(新)
この3箇所のうち、タイブレーク制度は先月決まったものと同じですので割愛します。残り2箇所は今年の公認野球規則の改正に合わせて、新たに設けられました。
27の申告故意四球はいわゆる申告制敬遠のことです。高校野球特別規則ではこう明記されました。
・申告故意四球(投球せずに打者を一塁へ進めることができる)は、高校野球では採用しない。
(公認野球規則 定義7)
今シーズン、プロ、社会人、大学では採用できるようになった申告故意四球ですが、高校野球では実施されません。このニュースに関しても今日の新聞などで報じられていますので、後日詳細を書きたいと思います。
今日のメインテーマはここから。28.反則投球の取り扱いです。
高校野球特別規則ではこう明記されました。
この反則投球ですが、簡単に言えば昨年までと同じです。いわゆる二段モーションについて今年から公認野球規則定義38の【注】に書かれていた、投手が5.07(a)(1)および(2)に規定された投球動作に違反して投球した場合も、反則投球になる。との一文が削除されました。しかし高校野球特別規則では、投手がワインドアップポジション( 公認野球規則5.07(a)(1) )およびセットポジション( 公認野球規則5.07(a)(2) )の規定された投球動作に違反して投球した場合はこれまで通り反則投球となり、塁に走者がいる場合はボークとなります。
理事会後に報道陣の取材に対応した日本高等学校野球連盟の窪田哲之審判規則委員長はこう話します。
「公認野球規則の定義で反則投球があり、日本独自の【注】があり投げ方について規定していましたが、今年の規則改正でその【注】を外しました。そうすると投げ方についてはペナルティがなくなったということになったわけです。ところが、5.07には投げ方についてはちゃんと明記されているんです。ワインドアップはこう投げなければいけない、セットポジションはこう投げなければいけないと明記されている。なのにペナルティはないということになってしまいました。決定した翌日の新聞を見ますと、二段モーション容認とかそういう感じで書かれていました。そうすると二段モーションはOKなのかという風になり、野球規則の5.07に書かれていることは何なんだということになってしまう。5.07には(いわゆる二段モーションは)ダメと書かれているので、そういう(間違った)方向に流れていかないように、明記されたルール通りの投げ方にしていくために、高校野球特別規則で投げ方については今まで通り正しい投げ方をということで制定しました」。
高校野球のルール面を決める審判規則委員会からの、「高校生は二段モーションがOKだと捉えちゃいけない。今までと一緒のルールだよ」というメッセージがこの高校野球特別規則28にこめられています。
実は1月のプロアマ合同の野球規則委員会後のニュースを見て、シーズンインに備えて二段モーションOKだと捉えて準備しているという投手や指導者がいるとも聞きました。でも、二段モーションは走者がいなくても反則投球をとられます。これは全国の高校野球で統一されたルールですので、間違って解釈しないように注意してください。昨年までと変わっていません。
さらに窪田委員長からは報道陣に対しても、「二段モーション容認などの記事にしないよう、誤った解釈を受けるような表現はできれば避けてほしいとお願いします」と要望が出されました。
もう一つ、ベンチ前のキャッチボールですが、今シーズンは従来と同じ運用です。全面的にベンチ前キャッチボールをなくしていく方向の社会人野球とは違う運用になります。
これついても細かいことはまた日を改めて書きたいと思います。
今回はまず、申告故意四球は今シーズンは採用しない。いわゆる二段モーションはこれまで通り反則投球になるということを覚えてください!
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(文:松倉雄太)