【岐阜展望】波乱の秋から安定の春を経て、夏の激闘へ
6月24日、今年の岐阜大会の抽選会が開催され、88校で頂点をかけて戦う組み合わせが決定した。
春季県大会を制した大垣日大と準優勝の中京学院大中京が双璧となり、昨秋の県大会優勝校で21世紀枠代表となった多治見や麗澤瑞浪など、昨秋に旋風を起こした新鋭校がどう食い下がるか。岐阜大会は、ベスト4までの組み合わせが決まった。
春優勝の大垣日大が夏制覇を狙う!昨夏覇者の中京大中京と双璧
古田星投(中京)
大垣日大と美濃加茂がシードとなっているAブロック。この両校が、準々決勝で当たる可能性は高そうだが、面白い存在となりそうなのは二人の好投手を擁する岐阜加茂か。神奈川県の山手学院で長年指揮を取ってきた土井誉仁監督が単身、岐阜県の教員となって指揮を執るのだが、矢野太一投手と長身・久保田投手の出来次第では台風の目になりそう。
もちろん、大垣日大は安定している。春季大会では2年生の修行恵大投手が成長を示し、東海大会でも決勝まで導いた原動力となった。左腕・石川隼也と投の2本柱となっていくことで、ますます安定していきそうだ。
美濃加茂は昨秋もベスト4。左腕の池戸昇太投手が本来の力を示せば、大垣日大とも好試合になそう。
昨年の代表校・中京学院大中京(昨夏は中京)は一つ勝つと3回戦で好投手・伊藤智紀のいる麗澤瑞浪と当たりそう。Bブロックではこの勝者がすんなりとベスト4まで行く可能性は高い。しかし、一昨年夏の代表校・岐阜城北や帝京大可児も食い下がりを示せば混戦となる。反対ゾーンの多治見は報徳学園に大敗した21世紀枠代表として挑んだセンバツのショックは、完全の払拭出来ているようだ。それをバネとして、春季県大会ベスト8を獲得したのは立派だった。河地京太投手が昨秋のような投球を見せ佐藤昂気がしぶとい打撃を見せれば面白い。準々決勝の壁を破ったら、悲願への期待も高まる。
市岐阜商、県岐阜商ら公立勢にも注目!
鈴木太郎(益田清風)
市立岐阜商や昨秋にベスト4に進出して旋風を巻き起こしていた益田清風などがノーシードで入ったCブロック。シードは岐阜各務野と岐阜工だが、どちらも盤石の強さというよりは、春季大会は上手く流れに乗っての躍進だった。それだけに、長良など、いずれの学校にも十分にチャンスがありそうだ。
土岐商と県立岐阜商がそれぞれシードとなっているDブロックは、この両校が比較的スムーズにいきそうだ。とはいえ、福知山成美を何度も甲子園に導いた実績のある田所孝二監督が率いて2年目の岐阜第一は、「まだ、再建途中」ということではある。とはいえ、密かにひと泡吹かせようと狙っているだけに、他校にとっては不気味な存在だ。このゾーンには大垣商もいる。また、昨秋は早々に敗退してしまった県立岐阜商の岡本淳史投手がどれだけ投げるのか、その右腕に託すところも多い。土岐商は継投で戦っていくことになりそうだが、チーム力としては安定している。
ベスト4から再抽選となるが、ここまでの戦いでいかに勢いに乗れるのかということも大きい。波乱の秋季大会から、有力校がその通りの結果を残して落ちついた結果の春季大会となったが、準決勝までに勢いに乗ったチームが登場すると、また、秋季大会の再現になる可能性も多いに秘めている。
(文=手束 仁)
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