Column

【岐阜展望】波乱の秋から安定の春を経て、夏の激闘へ

2017.07.03

 6月24日、今年の岐阜大会の抽選会が開催され、88校で頂点をかけて戦う組み合わせが決定した。

 春季県大会を制した大垣日大と準優勝の中京学院大中京が双璧となり、昨秋の県大会優勝校で21世紀枠代表となった多治見麗澤瑞浪など、昨秋に旋風を起こした新鋭校がどう食い下がるか。岐阜大会は、ベスト4までの組み合わせが決まった。

 岐阜県大会の抽選結果はこちら!

春優勝の大垣日大が夏制覇を狙う!昨夏覇者の中京大中京と双璧

古田星投(中京)

 大垣日大美濃加茂がシードとなっているAブロック。この両校が、準々決勝で当たる可能性は高そうだが、面白い存在となりそうなのは二人の好投手を擁する岐阜加茂か。神奈川県の山手学院で長年指揮を取ってきた土井誉仁監督が単身、岐阜県の教員となって指揮を執るのだが、矢野太一投手と長身・久保田投手の出来次第では台風の目になりそう。

 もちろん、大垣日大は安定している。春季大会では2年生の修行恵大投手が成長を示し、東海大会でも決勝まで導いた原動力となった。左腕・石川隼也と投の2本柱となっていくことで、ますます安定していきそうだ。

 美濃加茂は昨秋もベスト4。左腕の池戸昇太投手が本来の力を示せば、大垣日大とも好試合になそう。

 昨年の代表校・中京学院大中京(昨夏は中京)は一つ勝つと3回戦で好投手・伊藤智紀のいる麗澤瑞浪と当たりそう。Bブロックではこの勝者がすんなりとベスト4まで行く可能性は高い。しかし、一昨年夏の代表校・岐阜城北帝京大可児も食い下がりを示せば混戦となる。反対ゾーンの多治見報徳学園に大敗した21世紀枠代表として挑んだセンバツのショックは、完全の払拭出来ているようだ。それをバネとして、春季県大会ベスト8を獲得したのは立派だった。河地京太投手が昨秋のような投球を見せ佐藤昂気がしぶとい打撃を見せれば面白い。準々決勝の壁を破ったら、悲願への期待も高まる。

[page_break:市岐阜商、県岐阜商ら公立勢にも注目!]

市岐阜商、県岐阜商ら公立勢にも注目!

鈴木太郎(益田清風)

 市立岐阜商や昨秋にベスト4に進出して旋風を巻き起こしていた益田清風などがノーシードで入ったCブロック。シードは岐阜各務野岐阜工だが、どちらも盤石の強さというよりは、春季大会は上手く流れに乗っての躍進だった。それだけに、長良など、いずれの学校にも十分にチャンスがありそうだ。

 土岐商県立岐阜商がそれぞれシードとなっているDブロックは、この両校が比較的スムーズにいきそうだ。とはいえ、福知山成美を何度も甲子園に導いた実績のある田所孝二監督が率いて2年目の岐阜第一は、「まだ、再建途中」ということではある。とはいえ、密かにひと泡吹かせようと狙っているだけに、他校にとっては不気味な存在だ。このゾーンには大垣商もいる。また、昨秋は早々に敗退してしまった県立岐阜商岡本淳史投手がどれだけ投げるのか、その右腕に託すところも多い。土岐商は継投で戦っていくことになりそうだが、チーム力としては安定している。

 ベスト4から再抽選となるが、ここまでの戦いでいかに勢いに乗れるのかということも大きい。波乱の秋季大会から、有力校がその通りの結果を残して落ちついた結果の春季大会となったが、準決勝までに勢いに乗ったチームが登場すると、また、秋季大会の再現になる可能性も多いに秘めている。

(文=手束 仁


注目記事
今年も全国各校の熱い想いを紹介!「僕らの熱い夏2017」

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.18

【秋田】明桜がサヨナラ、鹿角は逆転勝ちで8強進出、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.05.18

【岩手】一関二、盛岡誠桜などが初戦を突破<春季大会>

2024.05.18

【関東】昌平・山根が2発5打点、東海大相模・4番金本が2ランなどで初戦を快勝、東海大菅生は山梨学院を完封<春季地区大会>

2024.05.18

【長崎】長崎西、島原中央などが初戦を突破<NHK杯地区予選>

2024.05.18

【春季関東大会】白鴎大足利・昆野が最速152キロを計測!前橋商の剛腕・清水はまさかの5失点…。チームもコールド負け!

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.18

【秋田】明桜がサヨナラ、鹿角は逆転勝ちで8強進出、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?