Column

選手たちからの「甲子園に連れて行く」が実現! 東海大市原望洋高等学校

2017.03.03

 千葉県市原市にある東海大市原望洋高等学校。2016年から東海大望洋から東海大市原望洋へ校名変更。昨秋は千葉県大会優勝、関東大会準優勝を果たし、校名変更後初となる甲子園出場を決めた。

昨夏の木更津総合戦が最上級生の糧に

アイシングを手伝う佐々木玲奈さん(東海大市原望洋)

 2010年以来の選抜出場を果たした東海大市原望洋。2年生40人、1年生32人と計72人もの部員を支えているのは、2年生の大野 賢くん、1年生の佐々木 玲奈さん、秋本 満帆さんの3人マネージャーたちだ。

 日々の活動内容は、お茶出しや選手の怪我の手当てに加え、ノックやティーバッティングの手伝いなどの練習サポート、また試合時のスコア付け、アナウンス、外部対応など、中から外までの仕事を、全てこなしている。「選手の気持ちが分かるように、できるだけ選手のそばで活動しています」と、日々熱心なサポートを続けている。

 2年生の大野くんがマネージャーになったきっかけは、自分の意志によるものだった。1年生の時はまだ選手だったが、同期にはマネージャーがいなかった。そこで「チームのために貢献したい」という気持ちが芽生え、マネージャー転向を決意。チームを支える側に立った大野君はマネージャーを通して、自身の成長を肌で感じている。

 

「まず視野が広くなりました。苦手であった、コミュニケーション能力が上がったり、今まで以上に相手を考えるようになりました」

 特に印象に残っている試合として、大野くんが挙げてくれたのが、昨夏準々決勝、[stadium]千葉マリンスタジアム(QVCマリンフィールド)[/stadium]で行われた、木更津総合戦だ。木更津総合早川 隆久東海大市原望洋島 孝明両エースの投げ合いに集まったこの試合は、4回に1点を先取され、その後はお互い0が続く投手戦となった。しかし東海大市原望洋は最後まで、得点を奪うことができず、0対1で涙をのんだ。

「この悔しさが自分たちの代のバネになっていると思います」

 その言葉通り、昨秋の県大会は見事優勝を果たし、関東大会出場。また、関東大会では決勝戦で作新学院に敗れはしたものの、準優勝を果たし、選抜を確実なものにした。

[page_break:バッティングピッチャーやノッカーも務める]

バッティングピッチャーやノッカーも務める

大野賢マネージャー(東海大市原望洋)

 唯一の男子マネージャーである大野 賢くん。選手1人1人に気を配れるマネージャーになりたいということからか、練習では自らバッティングピッチャーを務めたり、ノッカーを務めたりと、精力的に動いている。練習が終わったときなどに言われる「ありがとう」という言葉をかけられたときに、1番やりがいを感じるそうだ。

 また、大会などで記録員としてベンチ入りする時間が1番楽しい時間と話す。
「スコアを付けながら、選手を応援して、勝ったときには喜びを感じます」

 しかし、指導者の指示通り動くことができず、挫折を経験したことがあったそうだ。その中で、選手たちに言われた「甲子園に連れて行く」という言葉は今でも心に残っており、「本当に行けることになって嬉しい」と語ってくれた。

 大野くんをはじめとするマネージャーたちの存在について選手たちは、
「縁の下の力持ちのような大切な存在です。いつも選手の事を考えながら動いてくれたり、支えてくれたりするので、とても感謝しています。夢であった甲子園に一緒に行けることは、恩返しができるという事もあり、とても嬉しいです」と、3人のマネージャーの存在の大きさを話してくれた。

 最後に大野くんは、「今までやってきたことを精一杯発揮してもらえるように、選手を支えたいです」と意気込んだ。大野くんをはじめとするマネージャーの頑張りが実を結んだ選抜に期待したい。

東海大市原望洋の選手たちはみんな仲良し。ぜひ大野くんの想いに応え、初勝利をもたらすことを期待しています!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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