島 孝明選手 (東海大市原望洋)
短評
観戦レポートより抜粋(2016年7月19日) 2回以降は、常時140キロ~145キロ(最速146キロ)のストレート。ストレートを28球計測して、140キロを下回ったのが1球だけという驚異的なスピード能力で日大習志野打線を圧倒。かといって、力で押すわけではない。外角、内角、低めへコントロール良く決める投球。島の良さであるコントロール重視のピッチングができていたのである。 特に唸らされたのは、4回表、2番町田に対し、アウトローへ145キロのストレートが決まり見逃し三振を奪ったシーン。これは手が出ないだろうと思ったコースへズバリと決まった素晴らしいストレートだった。このコースへのストレートを求めていたのである。春に比べて狙い通りに投げるコマンド能力は格段に良くなった。それができるのもフォームが安定したことが要因に挙げられる。制球力を重視して走者がいなくてもセットポジション。ゆったりと左足を上げて、踏み出した時に左肩をやや下げて、テークバックを高く上げていく動作は、安楽智大を思い出す。そして打者寄りでリリースをすることができていて、球持ちが実に良い。 そして130キロを超える高速スライダーの切れは健在。この日は左打者の内角へどんどん投げ込み、日大習志野打線はこれに面を喰らって、どん詰まり。木製バットで打ったら、真っ二つになっているだろうと思わせるキレ味があった。あれは1つのウリになると思う。合間で115キロ前後のカーブを投げ込んで、よりストレートを速く見せる工夫ができていた。 5回表は0点で抑えればコールド勝ちが決まるということで、だんだんギアを高めていく。まず5番中川 方晴には追い込んでから、高めの145キロストレートで空振り三振。6番藤瀬は外角いっぱいに決まる146キロのストレートで空振り三振。マリンでは、この日、最速の147キロのストレートを計測していたが、スピードはもちろんだが、キレ、球威、ボールの角度ともに最高のストレートだった。そして7番飯田達也は内角へ決まる143キロのストレートで詰まらせ三邪飛。 無四球、9奪三振とほぼ完ぺきなピッチングで5回無失点。まだ試運転の段階とはいえ、初登板でこれほどの内容は本人にとってもほっとしたことだろう。最初のスタートでどれだけ好スタートが切れるか。それだけ重要な一戦だったが、これ以上ない結果だったといっていい。 145キロ以上が10球を計測。平均スピードは143.03キロと高校生右腕としてはとても優秀な数字。そして無四球なのだから、非の打ち所がない投球だった。これからも[stadium]QVCマリンフィールド[/stadium]を熱くさせることが期待できそうだ。
更新日時:2016.07.20
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