国体の選考にも影響!?8地区がベスト16に進出!
左:堀 瑞輝(広島新庄)、右:大石 哲汰(嘉手納)
第98回高等学校野球選手権大会もベスト16が出そろった。ここで大切なのは、毎年、どの地域が勝ち進んでいるのか、どの地域が強いのかと確認することである。
今年のベスト16を地域別でみていこう。
【北海道地区】
北海
【東北地区】
聖光学院、盛岡大附
【関東地区】
木更津総合、常総学院、花咲徳栄、作新学院
【東海地区】
東邦、いなべ総合
【近畿地区】
履正社
【中国地区】
広島新庄
【四国地区】
明徳義塾、鳴門
【九州地区】
嘉手納、秀岳館、日南学園
これを見ると、8地区も選ばれている。昨年は7地域だったが、(九州 2、北信越1、東京2、関東5、東北4、近畿1、東海1)と関東・東京だけで7チーム。東北だけで4チーム。まさに東高西低な大会だっただけに、今年はバランス良く勝ち上がっているといえるだろう。
またこれは国体の選考にも影響する。国体は開催地域の学校+ベスト8に残った学校は必ず選出されるが、残り3チームは地域性を重視して選出する。その3チームは、まだ選ばれていない地域が優先的に選出される。逆に去年のように東北・関東が多くベスト16まで勝ち進んでいる場合だと、2回戦敗退だった中国地区・広島新庄が出場している。2回戦負けの広島新庄なの?と思った方がいるかもしれないが、広島新庄は早稲田実業相手に健闘。中国地区の出場校の中でも粘り強い戦いをしたことが評価された。2回戦で敗れた敦賀気比が北信越地区として出場したのは、選抜優勝の実績が評価されたのもあるだろう。
国体は基本的に無料の競技が多いが、高等学校の硬式野球は入場料を取るように、夏以外の実績面も1つの選出要素となっていると考えられる。実際に、昨年の国体では選抜優勝の敦賀気比と選手権優勝の東海大相模の対決が実現し、多くの人が集まっていた。地域性や実績面のバランスを考えながら、選んでいることを踏まえると、国体の選出の予想するのも楽しくなるだろう。
今年は北信越と東京地区以外は、残っており、もし例年の選考を見ていけば、その地区の唯一の生き残りである北海、履正社、広島新庄は3回戦の勝敗に関わらず、選ばれる可能性が高く、複数残っている東北・関東・四国・九州は勝ち上がり次第になりそうだ。北信越地区は唯一、2回戦で敗退した富山第一は広島新庄の戦いぶりによって影響されそうだ。
1つの地域が多く勝ち上がっているのは、その地域のレベルが高い証明でもあるが、やはり多くの地域が勝ち進んでいる方が各地域が拮抗していることであり、今年のような勝ち上がりが望ましいといえる。それでも毎年、多くの学校がベスト16以上に名乗り挙げる関東地区、東北地区のレベルの高さは恐るべしだ。
また初出場ながらベスト8を目指す嘉手納。去年、初出場から連続出場を目指しベスト8進出を目指す広島新庄の戦いぶりは新たな歴史を築く上だけではなく、国体の選考にも大きく影響するだけに見逃せない。
(文・河嶋宗一)
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