今後も激戦を期待したい選抜2回戦展望!
20日に開幕した甲子園もあっという間に1回戦を終えた。そしてベスト8をかけて2回戦が始まる。そんな2回戦以降の展望を紹介していきたい。
2回戦の見所をそれぞれ紹介!
【智辯学園vs鹿児島実業】
智辯学園は初戦で10安打完封を成し遂げた村上頌樹の安定感は十分。打線は、太田 英毅が注目されるが、適時打を放った福元悠真は太田以上の長打力を持った選手で、キレの良いプレーが期待される。鹿児島実業は今大会屈指の左腕・鈴木昭汰(常総学院)を打ち崩したように、後半に畳みかける攻撃力は脅威。また強力・常総学院打線を封じた右下手の谷村 拓哉は強力な智辯学園打線相手にも好投を見せることができるか。鹿児島実業がどのタイミングで継投するかにも注目だ。
【釜石vs滋賀学園】
小豆島との21世紀枠対決を制し、2回戦へ駒を進めた釜石。一生懸命な戦いぶりが、甲子園のファンを味方につけた。そういう無形の力が釜石ナインを後押しするだろう。釜石の強みである接戦の強さ。固い守備力を発揮していきたいところ。対する滋賀学園は、初出場ながら全く動じない戦いができており、神村月光(インタビュー)の投球は安定感十分。打線も犠打をせずに強打する積極性があり、初戦の勢いを持続できるか。
益田 敦成(八戸学院光星)
【龍谷大平安vs八戸学院光星】
お互い強打が持ち味の好チーム。龍谷大平安は橋本和樹、岡田悠希のスラッガーが注目されるが、上位、下位ともに切れ目のない打線で、2回戦でもその打撃が発揮できるかに注目したい。またエースの市岡奏馬は安定感が増しており、2回戦でも同様の投球ができるかに期待がかかる。八戸学院光星はエース・櫻井一樹が安定感十分。打線も4番益田敦成を中心に市岡に畳みかける打撃ができるか。自分たちの打撃ができると打ち合いが期待できそうだ。
【明石商vs東邦】
1回戦でサヨナラスクイズをしたように戦略的な野球を見せた明石商。エース・吉高 壯(インタビュー)の安定感は十分で、少ない失点が期待できる。打線も明石商小西翔太など長打力のある選手が一打を見せていきたい。力のある東邦相手にどう戦略を立てて勝負するか、注目をしていきたい。
東邦は藤嶋健人(インタビュー)、松山仁彦と投手陣の安定感は見事で、さらに打線も小西慶治が本塁打を放ったように各打者がパワーアップしている。あとは藤嶋がどれだけ自分のタイミング、自分のスイングができるか。初戦を見る限り、積極的に振りにいくのは良いものの、自分のスイングができず、内野ゴロになるのは勿体なかった。それがなくなると、豪打も期待できそうだ。
まだ藤嶋は100の力を発揮していない。本領発揮はこれからになりそうだ。
これから本領発揮なるか 大阪桐蔭と敦賀気比
高山 優希(大阪桐蔭)
【木更津総合vs大阪桐蔭】
木更津総合のエース・早川隆久(インタビュー)は走者を出しても粘り強い投球で凌げるのが魅力。一冬越えて勢いが出てきたキレのあるストレートが大阪桐蔭打線にも通用するか。神宮大会で課題を残したベース際の制球力が改善できているかも気になるところ。自分の実力を試すには大きな試合となるだろう。大阪桐蔭は打線の対応力の高さは今年も健在だが、あとはエースの高山優希(インタビュー)がどこでエンジンがかかるか。ここまで140キロ台後半の速球で圧倒する姿は見られず、130キロ台の速球が多く、好調時と比べるとボールが走っていない。そのため木更津総合はエンジンがかからないうちに攻めこんでいきたいところだが、対する高山がどこでギアを上げてくれるかにも注目したい。
【南陽工vs秀岳館】
南陽工は固い守備で無駄な失点を与えないのが強み。エースの重冨 将希は力のある速球、変化球の投げ分けがしっかりとできており、簡単に打ち崩せない好投手。打線も一瞬の隙を逃さず、加点していきたい。秀岳館は花咲徳栄のエース・高橋昂也を打ち崩したように、変化球を見極め、次々と安打にする嫌らしさがあり、破壊力とスピードが備わった今年の秀岳館打線のレベルは今大会トップクラス。また投手陣の駒数が豊富なので、状況に応じた投手起用も勝負になりそうだ。
【創志学園vs高松商】
創志学園はエースの高田萌生が尻上がりに状態を上げてきた。どうしても硬くなる初戦を制したことで、髙田の潜在能力はさらに発揮できるといえる。打線も機動力を上手く絡めており、引き続き、この戦いを見せていきたい。高松商はサヨナラ勝ちしたことで勢いに乗っており、髙田を攻略する可能性もあり、1回戦同様、激しい試合展開が予想されそうだ。
【海星 -敦賀気比】
長崎海星は粘り強く試合を制したように、試合運びがしっかりしていて、守備も良い。そのディフェンス力の高さを見せていきたいところだ。敦賀気比はエースの山崎颯一郎が完封したように、昨年よりも大きく成長した姿を見せている。打線は1点止まりだったとはいえ、今後、状態を上げてくるだろう。投打ともに自分たちの能力を発揮し、試合を優位的に進めていきたい。
今年は打てるチームが多く、好投手が打ち込まれることも多い。やはりそれを凌ぐには、バッテリーの投球術であったり、守備の球際の強さなど細かな点が求められる。そういうチームが今年の選抜を制するかもしれない。
今後の試合では主戦投手の安定感はもちろん、そして2番手以降の投手たちの力量が今後の試合の注目ポイント。ここまでの試合を見ると、東邦、秀岳館はエース以外の投手陣の力量も高いが、まだエースしか投げていない明石商、八戸学院光星の控え投手たちの力量も気になるところだ。
2回戦以降は戦いに慣れたことで、多くの選手が力を発揮できる。その中で新たなヒーローが生まれることに期待したい。
(文・河嶋 宗一)
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