Column

拓大紅陵(千葉)編「全国でもおなじみの強豪となった拓大紅陵のつながり!」

2016.02.01


左から拓大紅陵時代の鈴木 稜也投手、山岡 弘佑投手

 1984年選抜に甲子園初出場でいきなりベスト8入りを果たし、1992年には選手権準優勝。その後も県内上位に勝ち進むなど千葉の名門として知られる拓大紅陵。また同校の吹奏楽部は昨年、習志野高校の吹奏楽部と野球の応援曲を演奏するコンサートを行っている。これは全国的にも珍しい試みのようだ。

 拓大紅陵の応援歌はとても人気があり、「チャンス紅陵」は多くの学校で使われている。今回はそんな拓大紅陵のつながりを見ていきたい。

1980年代から全国クラスの強豪校へ

 1978年、木更津紅綾高等学校として開校し、1980年に現在の校名である拓大紅陵に名称変更。この頃から野球部強化に力を入れた同校は、日大三の監督だった小枝 守氏が監督に就任。その2年後、1984年選抜で甲子園初出場を果たした。大会では1回戦で強豪・智辯学園と対戦するが、後にプロで活躍する小川 博文(現・横浜DeNA打撃コーチ)が本塁打を放つなどの活躍を見せ9対3で智辯学園を下すと、2回戦では法政二を10対2で破る。

 この試合で2失点完投したのが、現在敬愛学園で監督を務め、五十嵐 亮太投手(現・福岡ソフトバンクホークス)など数多くの好投手を育てあげた古橋 富洋投手だった。準々決勝では桑田 真澄2013年インタビュー清原 和博のKKコンビ擁するPL学園と対戦し、0対6で敗れたが、その戦いぶりはその後の躍進を実感させるものであった。

 1986年には大型捕手・飯田 哲也を擁し、連続出場。そして1992年夏には準々決勝で徳島池田と対戦。8回終了時点で0対1とリードされていたが、9回表に立川 隆史(元阪神タイガース)の逆転2ランで準決勝へ駒を進めると、尽誠学園を5対4で下し決勝進出。決勝では西日本短大付に0対1で惜しくも敗れ、準優勝に終わった。この快挙を機にさらなる全国舞台での活躍を期待されたが、その後春は1996年2004年、夏は2002年の甲子園出場のみとなっている。

 また、後の2015年に「育成功労賞」を受賞することとなる名将・小枝監督が一昨年に勇退し、その後は小枝氏とタッグを組んできた澤村 史郎新監督とともに練習を重ねてきた。昨年は春8強、夏8強、秋16強と県内では安定した強さを誇るが、名門復権へ向けて、この1年が重要になる。

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近年の卒業生

 1980年代には前述した飯田選手、小川選手を始めプロ入りした選手も輩出。指導者では敬愛学園の古橋監督や、新日鐵住金かずさマジックを日本選手権初優勝に導いた鈴木 秀範監督など選手、指導者で活躍するOBが多数。そして昨年のドラフトでは大木 貴将加藤 貴之の2人が指名を受けた。拓大紅陵で鍛えられた選手たちの次のステージでの飛躍が期待される。

■2010年卒
大木 貴将日本大-香川オリーブガイナーズ-千葉ロッテ)
小峰 弘樹拓殖大-JFE東日本)

■2011年卒
加藤 貴之(新日鐵住金かずさマジック-北海道日本ハムファイターズ)

■2012年卒
千葉 恒輝(東京情報大)
新井 裕輝(敬愛大)

■2013年卒
森田 真基(国士舘大)
鈴木 稜也上武大
石井 大和(東京情報大)
小野 将幸中央学院大

■2014年卒
石原 大平拓殖大

■2015年卒
笠原 昇太拓殖大
山岡 弘佑(敬愛大)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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