小出vs村上桜ヶ丘
ノーシード小出旋風!44年ぶりにベスト4
第1試合に続き、小雨・霧雨が降りしきる[stadium]HARD OFF ECOスタジアム新潟[/stadium]で行われた第2試合は、ノーシードながら強豪を敗り、快進撃を続ける小出と、村上桜ヶ丘が対戦。勢いに乗る公立校同士の対戦は思わぬ点差がついた。
村上桜ヶ丘・山田(2年)、小出・庭山 希(3年)の両エースの先発で始まったこの試合。2回、村上桜ヶ丘1点を先行するが、小出・庭山は最小失点でなんとか切り抜ける。すると4回、ここまで好投を続けてきた村上桜ヶ丘・山田に小出打線が襲い掛かる。一死から3番・高橋拓(3年)、4番・和田(3年)、5番・桑原雄(3年)の3連打で同点に追いつく。さらに二死後、7番中村(3年)のタイムリーで逆転に成功。
5回に下位打線のヒットを足ががりに、和田、桑原雄の連続タイムリーで3点を追加。村上桜ヶ丘・山田をノックアウトする。
小出は6回にも。村上桜ヶ丘2番手・稲垣(2年)を攻め、四球をきっかけに高橋拓のタイムリーと和田の犠飛で2点を追加。6点のリードをもらった庭山は、2回以降村上桜ヶ丘打線を寄せ付けず、9回1失点で完投。
7対1で小出が勝利し、44年ぶりにベスト4へ駒を進めた。
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エキサイティングチーム 小出高校
昨年から見たいと思いながら、なかなか縁がなかった小出高校。ようやく観戦できたこの試合で、抱いていたイメージが大きく変わった。
昨秋の準々決勝(試合レポート)。後に秋、春と県を制覇し、二季連続で北信越大会ベスト4の中越相手にエース・庭山 希が堂々たるピッチング。最小得点差の0対1で惜しくも敗れたが、今年の夏へと期待を持たせる内容だった。
スコアをテーブルで見た時、クローズアップされるのはやはりエース・庭山。キレのいいストレートと変化球を効果的に織り交ぜ、強力打線を擁する中越相手に一歩も怯むことなく真っ向勝負を挑む姿から、県内屈指の好左腕としての評価を揺るぎないものにした。その一方で、打線はこちらも好投手の呼び声高い中越・上村(3年)に翻弄され、ホームベースが遠かった。
庭山を援護する打線の奮起が鍵、メディアの小出評はこぞってそう報じた。
迎えたこの試合。小出は、4回に逆転すると、5回、6回にも効果的に追加点を上げ、庭山に大量リードを援護。その中心となったのが、クリーンアップの存在だ。
4回から六回の得点シーンのみをピックアップして取り上げると、
3番・高橋拓 3打数3安打1打点
4番・和田 2打数2安打3打点(1犠飛)
5番・桑原雄 3打数3安打1打点
合計8打数8安打5打点という無類の勝負強さ。
それも相手に考えさせる暇を与えないほど、早いカウントで仕掛け、畳み掛けるような攻撃を見せた。そこには「もう庭山のワンマンチームとは言わせない」という野手陣の意地が見えるような気がした。
投打がガッチリと噛み合い、最高の形で44年ぶりのベスト4進出を決めた小出。準決勝の相手は、昨秋惜敗した中越。
リベンジを誓い、一回り成長した打線が、秋・春連覇した王者・中越に襲いかかる。
(文=町井敬史)
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