試合レポート

市立川越vs星野

2015.07.12

昨夏準優勝の市立川越、5回コールドで好発進!

  地元人気校が相次いで登場ということと、日曜日ということもあって、スタンドは早くから多くの人が詰めかけた。両校応援席やネット裏はもちろんのこと、外野席も多くの人が入った。川越商時代からの後援組織である“蒼球会”という帽子を被った人も多く詰めかけていたのが、三塁側の市立川越だった。

 これに対して星野も川越市内にある学校で、星野女子の時代が長く、女子ソフトボールでは何度も全国制覇を果たしている。昨秋、今春と県大会で準優勝を果たしている川越東とは系列校である。率いる飯野 勝監督は、川越東の阿井 英二郎前監督、渡辺 努現監督と同じ東京農大二(群馬)の出身である。女子ソフトボールに負けるなと、野球部も頑張っていきたいところであろう。
昨年の埼玉大会準優勝校で、甲子園まであと一歩に迫った市立川越。今年のチームは春季大会では、ロースコアの守り勝ちという試合が多く守りのチームという印象だった。それが、6月の練習試合あたりから、北村君を1番に据えたことによって、打線に勢いがつくようになってきた。

 この日も、初回その北村君がいきなり中越二塁打。バントなどで二死三塁となったところで、4番野原君が二塁手横への内野安打で先制した。2回には、四球と7番中祖君の二塁打で二、三塁としたところで、8番の登坂君が巧みに流し打って、三塁手のグラブをかすめる二塁打で二者が帰った。さらに、上位へ戻って北村君、前村君の連続二塁打などもあってこの回4点。

 3回にも、バットコントロールのうまい登坂君が三遊間を破るタイムリー安打で、さらに追加点を挙げて主導権を握った。そして、5回には、打者10人で、星野の神庭君をリリーフした染矢君、安藤君も攻めて、打者10人で四死球3、4安打で6点を奪って試合を決定づけた。 

 市立川越の登坂君は、初回と5回、先頭打者に簡単に安打されるという悪い癖は出している部分もあったが、持ち味を生かした投球だったといっていいだろう。ただ、この日はむしろ、左打ちの打者としてのうまさのほうが光っていた。そして、最後の一人となったところで、新井 清司監督は、191cmの長身投手、永光君を投入するなど、慎重だった。このあたりは、先の戦いも見据えながらの次への準備という意識もあったのではないだろうか。星野は、いいところなく敗れてしまった。しかし、下級生も多く、これからのチームを作っていくということでは期待が出来そうな雰囲気は十分に持っていた。

 

(文=手束仁)


関連記事
・第97回全国高等学校野球選手権大会特設ページ
・あの学校の取り組みは?!埼玉県の野球部訪問を一挙紹介!
・夏よりも熱い!全国の野球部に迫った人気企画 「僕らの熱い夏2015」

第97回全国高等学校野球選手権大会

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.16

涙の甲子園デビューから大きくレベルアップ!前橋商の192センチの剛腕・清水大暉は、高速スプリットで群馬県大会19回1失点、22奪三振の快投!<高校野球ドットコム注目選手ファイル・ コム注>

2024.05.16

【2024年春季地区大会最新状況】全道大会は出場校決定、関東と東海は18日に開幕

2024.05.16

【秋田】秋田修英と秋田工が8強入り、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.05.16

U-18代表候補・西尾海純(長崎日大)、甲子園で活躍する幼馴染にむき出しのライバル心「髙尾響には負けたくない」

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?