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【第97回熊本大会展望】今年の熊本は全国的にもパワフルなチームが出揃う!

2015.06.19

 第97回高校野球選手権熊本大会の組み合わせが決まった。例年、しぶとく、力強いチームを甲子園に送り出す熊本勢。今年も非常に混戦が予想される大会になりそうだ。

今年は九州学院、熊本工、東海大熊本星翔、秀岳館、熊本国府の5強が中心!

伊勢 大夢(九州学院)

 まずはシード校の状況を紹介していきたい。

 優勝候補と目されるのが昨秋九州大会優勝九州学院九州学院は、熊本東稜と対戦することになった。九州学院のウリは何といっても打線。強打の遊撃手・松下 且興、攻撃のキーマン・友田 晃聡、俊足巧打の長谷川 大将、強打の捕手・中原 力也を中心とした打線の破壊力は抜群。そこに1年生ながら4番に座る村上 宗隆が加わり、厚みが増した。課題はエース伊勢 大夢に続く投手作り。控え投手の台頭を待ちたい。

 2年ぶりの甲子園出場を目指す熊本工は、初戦の荒尾・南関・岱志の連合チームの勝者と対戦する。熊本工は下級生からレギュラーを経験している強打者たちが最上級生を迎えた。一発を打つ長打力がウリの大型捕手・深水 裕貴、1年から主力打者として活躍してきたスラッガー・高木 栄志を中心とした打線で勝ち上がる。投手陣は下級生の時から経験している廣田 直人がカギとなるが、さらに投手陣全体の底上げを期待したいところだ。

 第136回 九州地区高等学校野球熊本大会(以下 九州予選)準優勝の東海大熊本星翔は、投打ともに能力が高い選手が揃い、優勝候補に挙がる。
投手陣では140キロ台までレベルアップし、ゲームメイクができる江口 駿希、190センチの長身から140キロ中盤の速球を投げ込む村上 友幸、打線では一発を打つ峰松 直道、強打者の豊田 幸平など長打力ある打者を中心に、点を重ねる。今年のチームは非常に仲が良く、メンバー、メンバー外の選手が分け隔てなく意見を出し合えるチームで、ここにきてさらに結束力を高めている。(僕らの熱い夏記事)初戦は菊池農と対戦し、東海大二時代に経験した32年ぶりの甲子園出場を目指す。

 秀岳館は、枚方ボーイズを強豪に押し上げた鍛冶舎 巧監督が2年目の夏を迎えるが、今年は打線が強力だ。
昨年からレギュラーで巧打者の永水 秀樹が核となって、枚方ボーイズ出身の選手が鍛治舎監督の後を追って秀岳館に入学し、レギュラーとして活躍する。
ショートの松尾 大河、強打の捕手・九鬼 隆平、速球派右腕・有村 大誠、2013年に開催されたU-15アジア・チャレンジマッチ2013の代表選手だった本格派右腕・堀江 航平などタレント揃い。九州地区予選後の第44回RKK旗争奪選抜高等学校野球大会は優勝、第63回NHK旗高等学校野球大会(以下 NHK旗)では準優勝を収め、投打ともに仕上がりを見せている。その秀岳館は、小川工と対戦する。

 春の九州地区予選優勝の熊本国府は、最速144キロ右腕・西村 雅暉、左腕投手・富田 修平の二枚看板が光る。西村は打者としても評判で、投打に引っ張る存在。NHK旗で優勝を収め、こちらも優勝候補と推せるチームだろう。

■熊本県の野球部訪問の記事はこちらから!
【野球部訪問】熊本県立済々黌高等学校(2012年12月18日公開)
【野球部訪問】熊本国府高等学校(2011年05月12日公開)
【野球部訪問】九州学院高等学校(2011年03月04日公開)
【野球部訪問】県立宇土高等学校(2010年12月10日公開)
■この夏にかける熱い思いを伺いました!
【僕らの熱い夏】県立第二高等学校(2015年06月17日公開)
【僕らの熱い夏】東海大学付属熊本星翔高等学校(2015年06月03日公開)

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第97回全国高等学校野球選手権大会
僕らの熱い夏 2015
【ひとまとめ】2015年の全国各地の高校野球を占う!
[page_break:5強の脅威となる学校は、八代東、宇土、昨年甲子園出場の城北、鎮西などか]

5強の脅威となる学校は、八代東、宇土、昨年甲子園出場の城北、鎮西などか

山下 篤郎(鎮西)

 8強、4強の八代東は、玉名と対戦。左腕・丸山 信吾の安定感は抜群でしっかりとゲームメイクできるだけに、上位校からすれば厄介な存在だ。巧打がウリの下川 央を中心としたつなぎの打線で、8強まで勝ち上がった有明は、八代清流と対戦。4強の宇土は、八代工と対戦。

 ノーシードの有力校は2014年選抜出場の鎮西。本格派左腕・山下 篤郎、135キロ前後の速球を投げ込む山元 望、昨春、1年生ながらクリーンナップに座った強打者・竹村 彰太と好選手が揃うが、今年に入って目立った成績を残せていない。だがトーナメントだけに、勢いがつけば、上位進出も難しくない。初戦の相手は熊本南稜だ。

 また昨夏甲子園出場の熊本城北は、熊本商と対戦。このカードは、九州予選の1回戦で実現しており、熊本商が10対6で勝利を収めている。お互い因縁の対決になりそうで、見逃せない。秀岳館小川工の勝者と対戦が決定しており、ここも好カードになりそうだ。
東海大熊本星翔と同ブロックの専大玉名ルーテル学院の存在も脅威である。全体的に有力校が散らばった結果となっている。

 大会は7月5日に開幕。必由館vs熊本農の開幕カードを皮切りに熱戦が繰り広げられていく。順調に進めば7月24日に決勝を迎える。

 今年も混戦が予想され、勝ち進んだチームは甲子園でも活躍が期待できそうだ。

■熊本県の野球部訪問の記事はこちらから!
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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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