試合レポート

千葉敬愛vs柏南

2015.05.02

序盤、打撃戦からの終盤は投手戦へ!

勝負を決めるサヨナラ安打を放った山﨑麗弥(千葉敬愛)

 千葉県野球場での第二試合は千葉敬愛vs柏南
柏南は有力校・習志野に前の試合勝利しており千葉敬愛と比べても勢いを持って今日の試合を迎えている。安定した試合運びを見せる千葉敬愛に対して、柏南がどう戦うかがポイントとなってくる。

 試合は千葉敬愛柏南・先発の松野 将大(2年)を初回から攻めたてる。
1番・吉原 裕貴(3年)が安打で出塁。2番・山﨑 麗弥(3年)が犠打で走者を送る。3番・竹内 翔那(2年)が四球を選び、一死一、二塁のチャンスで4番・椎名 俊介(3年)が二塁打を放ち先制。続く5番・鈴木 ケネス(3年)の適時打でさらに追加点を挙げる。千葉敬愛が2点を先行した。

 反撃したい柏南は3回表に、千葉敬愛の先発右腕・中野渡 友樹(2年)をこちらも攻めたてる。
一死満塁のチャンスを迎えて、5番・水間 泰良(3年)の右中間に飛ぶタイムリー二塁打で同点に追いつく。なおもチャンスで6番・本田 航太郎(3年)がレフトへ犠牲フライを打ち上げて、3対2と逆転に成功する。続くバッターの7番・松野 将大が安打を放ち、さらに1点を追加する。この回4点を入れ逆転に成功した。

 千葉敬愛は4回表より先発・中野渡に代えて、エースの吉野 涼(3年)をマウンドへ送る。今大会非常に安定している投手だが、千葉敬愛としては早い段階で継投する形に。代わった4回表は淡々と投げ込み、難なく3人で抑える。

 吉野が流れを持ってきた4回裏、千葉敬愛打線が援護する。
安打、失策で一死二、三塁とチャンスを広げて、9番・平岡 俊(3年)が二塁打を打ち、2点を追加。同点に追いついた。

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6回より好リリーフを見せた室井穣(柏南)

 6回裏より、柏南は左腕・室井 穣(2年)にスイッチ。躍動感あるフォームから千葉敬愛打線を抑え込む。ここから試合は終盤にかけて千葉敬愛・吉野、柏南・室井の手に汗握る投手戦に。どちらに流れが転がってもおかしくないが、両校の堅い守備が相手に流れを渡すまいと随所で好守備が光っている。

 9回表、柏南が勝ち越しのチャンスを迎える。
一死から8番・鳥海 晃斗(2年)、9番・本間が連続セーフティーバントを決めて一死一、二塁のチャンスメイクに成功。3回表以来のチャンスだったが、後続が続かず無得点に終わる。

 9回裏、ピンチを切り抜けた千葉敬愛の攻撃。
この回から柏南は二塁手として出場していた、右サイドスロー北澤 京樹(3年)をマウンドへ。同点のままタイブレークへ持ち込みたい。
先頭の9番・平岡が安打で出塁する。1番・吉原が犠打で走者を進め、一死二塁。柏南は走者が還ってきてしまうとサヨナラ勝利が決まってしまうため、必然的に前進守備の隊形になっている。迎えたチャンスで2番・山﨑が右前安打を放ち、二塁走者の平岡が本塁へ突入。生還を果たし、サヨナラ勝利が決まった。千葉敬愛が粘る柏南を5対4とサヨナラ勝利で準決勝へコマを進めた。

 敗れた柏南
ここまで打ち勝って勝利しており、序盤は打線が奮起し得意の展開に持ち込みたいところだったが軟投派・吉野投手に完璧に抑え込まれて、接戦に耐え切れなかったか。今大会3勝を自信に、夏に向けて細かいところを整備しレベルアップしたいところだ。

 ここまでの試合、接戦で勝利してきた千葉敬愛だったが、自分達の得意な展開に持ち込めたことが勝利を引き寄せた結果に。接戦に慣れており、試合展開を熟知したような戦い方は見事だった。
左腕・吉野 涼も凄みはないが安定している投球と打線が噛み合えば頂点も近づいてくる。次戦は宿敵・専大松戸に決まった。相手は打撃戦、接戦も得意であることから千葉敬愛がどういう展開で進めていくかが、勝利へ向けてのカギを握る。

(文=高校野球ドットコム編集部)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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