第84回選抜の選考を振り返る【近畿・中国 四国・九州 編】
近畿地区 枠6・候補校17
小野(智辯学園)
■ 天理(奈良県)
一戦ごとに成長を見せ、本番での強さが目を引いた。左腕の中谷佳太と急成長を見せた右の山本竜也と2枚看板が力を発揮。打線は大型ショートの4番吉村 昂祐が長打力と勝負強さを見せ、2試合連続本塁打。1番東原匡志、2番綿世優矢、さらに恐怖の9番関屋亮と全体も強力と評価された。
■ 履正社(大阪府)
犠打を多用し、今回も公式戦40犠打。その手堅さに加え、3割打者を多く擁するスキのない攻撃で得点に結びつける能力が高いとの声が挙がった。投手は1年生左腕の東範幸が安定し、ほとんどの試合を一人で投げ切った。
■ 大阪桐蔭(大阪府)
準決勝進出は逃したが、潜在能力の高さを期待して4番目に選出。197センチの大型右腕・藤浪 晋太郎が柱、捕手の森友哉、さらには笠松悠哉、水谷友生也の三遊間と1年生トリオも力を発揮した。4番の田端 良基も長打力のある選手で、全体的なスケールの大きさが高評価に繋がったようだ。
■ 近江(滋賀県)
エース村田帝士を中心に広瀬亮太、山田將太の継投でほとんどの試合を戦った。打線は4番藤原隆蒔、5番橋本大樹をはじめ、コツコツとした攻撃スタイルが持ち味。工夫した攻撃と守備力を誇った。
■ 鳥羽(京都府)
非常に粘り強いチームで、エースの五味拓真がその代表格と評価。攻撃では、積極的で走塁が目立ち、近畿2試合で6盗塁、公式戦全体でも34盗塁と抜群の走力とされた。また全員が徹底した右打ちで走者を進める攻撃術も光った。さらに高校生らしい良いチームであると付け加えられた。
補欠1位 立命館
伊藤数馬、坂戸奎太の両投手を擁し、粘り強いチームカラーが評価された。
補欠2位 奈良大附属
奈良1位校でもあり、実力は選出された6校と遜色ないと評価されたが、≪同一都道府県から3校は選ばない≫というルールのみに泣き補欠2位となった。
中国・四国地区 枠5(中国3・四国2)・候補校中国17・四国12
優勝を決め、喜びに沸く鳴門ナイン
■ 早鞆(山口県)
エース間津 裕瑳は、3試合25イニング30奪三振。特に初戦では9者連続三振をマークするなど、1安打完封と中国地区NO1投手との評価を得た。
補欠1位 大社
補欠2位 岩国工業
■ 鳴門(徳島県)
強力な打線で、まとまりと試合運びの上手さで頂点に立った。
■ 高知(高知県)
試合毎に力をつけ、坂本 優太、市川豪の若い投手陣を補う攻撃力を持ち合わせて総合力の高さが評価された。
補欠1位 明徳義塾(高知県)
補欠2位 高松商業(香川県)
※最後1枠について
投手力が高評価された早鞆と攻撃の難点を指摘された明徳義塾で比較検討。明徳義塾は2試合で18残塁という数字と、同県の高知に準決勝で敗れたという事実がマイナス材料となり、早鞆が最後の1枠として選出された。
九州地区 枠4・候補校17
神村学園 柿澤貴裕投手
■ 九州学院(熊本県)
全体的に勢いがあり、成長の強さを感じさせるチームだった。エース大塚 尚仁は先発完投型の本格派で、外角低めへの直球と変化球のコントロールが良く、クレバーのピッチングを見せた。大敗した決勝も初回以外は失点しなかった点もポイントになった。
■ 別府青山(大分県)
厳しい準々決勝を勝利し、優勝した神村学園相手にも善戦した。投手陣は中村太亮、安 勇大、右田源一郎の3人の継投でそれぞれが良さを発揮した。チーム全体でもエース笠原 大芽擁する福岡工大城東に競り勝つなど、勝負強さと存在感を見せた。またキビキビとした機動力野球も高い評価を得た。
■ 宮崎西(宮崎県)
初戦で福岡1位の自由ケ丘に延長で競り勝ち、九州学院相手に0対2と対等に戦えたことが大きなポイントとなった。エース戸高 達郎を中心に甲子園でも安定した試合運びが期待できると評価された。
補欠1位 創成館
1年生の大野拓麻は伸び代ある好投手と評価されたが、絶対に勝たなければいけない最大の山場である準決勝で九州学院にコールドと大敗したことがマイナス材料になってしまった。ただし宮崎西との比較では僅差で、実力的にも遜色はないとも強調された。
補欠2位 大分
(文=高校野球ドットコム 編集部 )