大森学園・八田 日大豊山を被安打4の完封で準々決勝進出



大森学園・八田成

 ベスト16に残った東東京勢は5校だけ。そのうちの2校である大森学園日大豊山が対戦した。

 日大豊山は右の荒木 慈安、左の玉井皓一郎、下手投げの足立 丈と、タイプの違う複数の好投手を擁する。一方大森学園は、投手と捕手の二刀流で主将の松本哲郎の存在が大きいが、石黒隼監督は、松本は捕手であり、メインの投手は八田成という方針だ。この試合、大森学園の主戦投手は八田であることをはっきりと示した一戦だった。

 日大豊山の先発は左腕の玉井。大森学園は玉井の立ち上がりを攻め、二死一塁から、4番・矢吹北斗、5番・半田夢叶の連続安打で1点を先制した。さらに3回裏には、二死一塁から4番・矢吹のレフトへの二塁打で1点を追加した。玉井はこの回で降板。玉井としては、エンジンがかからないうちに交代になったという感じだが、代わった背番号1の右腕・荒木が素晴らしい投球をする。「(秋に比べ)コントロールが良くなり、球速もあがりました」という荒木は、5回を投げて被安打1、四死球1、奪三振6の無失点。元中日の川上憲伸をモデルにしているというカットボールも威力があった。

 荒木がこれだけの好投をすれば、打線も反撃となるところであるが、大森学園の八田の投球がまた絶妙であった。最速は125キロといい、決して速くないが、「打者のタイミングを外し、外角の出し入れを意識しています」という八田の投球を前に、日大豊山の福島直也監督は、「打てそうで打てなかったです」と語る。コントロールが良く、速いタイミングでどんどん投げてくる八田の投球に、日大豊山は、回の先頭打者は全て抑えられたため、なかなかチャンスを作ることができない。

 唯一のチャンスは9回表、二死から3番・小川慶人の右前安打に続き、4番・飯島 渉太の三ゴロがエラーになって一、三塁となった場面だけだった。ここでも5番・市沢 怜を右飛に抑え、試合終了。

 結局八田は9回を投げて被安打5、四死球0、奪三振5の完封であった。球数は109球。試合時間は1時間28分。日大豊山の荒木投手も好投したこともあり、きわめてスピーディーな試合であった。

 日大豊山は敗れたものの、荒木の好投は、夏に向けての好材料だ。

 勝った大森学園は、八田の成長に、この試合は捕手に専念した松本の安定したリードなど、秋に比べ1ランク上のチームにレベルアップした。次の相手は二松学舎大附だ。昨夏の独自大会で勝っている相手だが、「失うものは何もない。挑戦者の気持ちいきます」と石黒監督は、準々決勝に向けての抱負を語った。

(記事:大島 裕史)