試合レポート

【北東北大学春季リーグ】ドラフト候補多数の富士大が今春初勝利!最速152キロ右腕・安徳駿が9回12奪三振1失点で“人生初”完投

2024.04.15


9回12奪三振完投勝利を挙げた富士大・安徳駿

<北東北大学野球春季リーグ戦:富士大2-1青森中央学院大>◇14日◇第1節2回戦◇きたぎんボールパーク

昨年の全日本大学野球選手権と明治神宮大会で4強入りし、優勝候補筆頭に挙がる富士大が、今春初勝利を挙げた。

前日は青森中央学院大・横山 永遠投手(3年=八戸学院光星)に完投勝利を献上し、開幕黒星スタート。この日も相手先発・谷木 亮太投手(3年=柴田)の前に6回まで無安打無得点と沈黙したが、7回に2点を奪い逆転した。投げては、先発した最速152キロ右腕・安徳 駿投手(4年=久留米商)が、9回143球を投げ12奪三振1失点で“人生初”完投。苦しみながらも接戦を制した。

富士大は1点を追う7回、1死一塁から4番・渡邉 悠斗捕手(4年=堀越)がチーム初安打を放ち好機を広げる。その後、6番・山澤 太陽内野手(4年=啓新)と8番・後藤 綾太内野手(2年=明豊)に適時打が飛び出し、試合をひっくり返した。

安徳は2回に先制の本塁打を浴びると、中盤までは四球なども絡む苦しい投球が続いた。それでも5回に150キロ台を連発するなど徐々に復調し、7回まで追加点を与えない粘投を披露。逆転してもらった後には、大学では練習試合を含め最長となる8回のマウンドに上がった。8回は先頭打者に二塁打を打たれ再びピンチに。すかさず安田慎太郎監督が交代を視野に入れマウンドに駆け寄ったが、集まった内野陣が「安徳でいきましょう」と声を揃えたため続投が決まった。

「いつも野手に助けてもらっている。体力は尽きているかもしれないけど、技術どうこうではなく、気持ちで投げよう」。気合いを入れ直すと球威の落ちかけていた速球が復活し、三者連続三振。続く9回も0に抑え、1点のリードを守り切った。前日黒星を喫し、「チームを勝たせるピッチングをしよう」と意気込んで臨んだ登板で、その言葉通りの力投をやってのけた。

安田監督は辛勝に「打てなさすぎる上に、守備もうまくいっていない。僕も選手も、『勝たないといけない』という気持ちが例年より強く、かなりのプレッシャーがかかっている感じがする」とコメント。ドラフト候補を複数擁する強力チームでも、一筋縄にはいかないのが野球だ。もぎ取った1勝をきっかけに、次節以降は勝ち星を積み重ねたい。

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この記事の執筆者: 川浪 康太郎

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