今宮健太を彷彿させるユーティリティ性!渡邊翔真(武蔵狭山ボーイズ)は高校でも投打の核を狙っていく
8月に行われたジャイアンツカップで、ベスト8に進出した武蔵狭山ボーイズ。その中で、投打にわたり抜群のユーティリティ性を発揮した選手がいる。それが渡邊翔真選手だ。
チームでは主に5番を任され、強肩強打の遊撃手としてジャイアンツカップのベスト8進出に大きく貢献。またマウンドに登れば130キロ中盤の直球を武器に、堂々たるピッチングを披露し、エースの須貝将希との強力な二枚看板を形成した。
今回はそんな渡邊選手にお話を伺い、ジャイアンツカップや高校野球に向けての意気込みを伺った。
厳しい練習に耐えるための下半身を強化
渡邊翔真(武蔵狭山ボーイズ)
ーー 今日はよろしくお願いします!それではまず渡邊選手の持ち味を教えてください。
渡邊翔真選手(以下、渡邊) 自分は三振をしないことをずっと意識して、甘い球が来たら思い切って振り抜いていけるようにしました。出塁率も意識して、追い込まれたらランナーをなるべく進めることを考えていました。
ーー なるほど!ちなみに甘い球を打つためにどんな練習を行いましたか?
渡邊 厳しい球を打てるように冬のティーバッティングを頑張って、それに耐えられるように下半身を強くしました。
ーー 武蔵狭山ボーイズの飯野靖典監督はとても情熱のある方ですが、飯野監督の下でやれて良かったと思うところを教えて下さい。
渡邊 叱られることもありますが、その後に「お前をこうしたいんだ」ということを言ってくださるので前向きに頑張れました。
また監督からはよく「練習は辛いけど、試合は楽しくやれよ」と言われていました。そのお陰で、とにかく元気にプレーができて、自分たちのペースで試合ができたと思います。
ーー 進路を決める時には飯野監督にどういった言葉をかけられましたか?
渡邊 (進路相談の際に)「甲子園に行きたいです」と監督に言うと、(具体的な)学校名を出して「お前が引っ張って甲子園に行けるようになれ」と言われました。また「そこでピッチャーもバッターも頑張れ」と言われたので、そこに決めました。
ーー ピッチャーとしての持ち味も教えてください。
渡邊 自分はスピードよりもコントロールに自信があります。100%の力で投げて、思ったところに行くというのが持ち味です。またピンチの時には、インコースにもしっかり攻められるようになりました。
[page_break:細部へのこだわりの必要性を痛感したジャイアンツカップ] 厳しくも、愛情の溢れる飯野監督の指導により、投手としても野手としても大きな成長を遂げた渡邊選手。そんな中、自信を持って臨んだジャイアンツカップで、渡邊選手はまさかの苦杯を味わうこととなった。
ここからはベスト8に進出したジャイアンツカップについてお話を伺い、勝ち進むことが出来た要因や、まさかの逆転負けを喫した準々決勝の弘前聖愛リトルシニア戦についてお話を伺った。
細部へのこだわりの必要性を痛感したジャイアンツカップ
ノックを受ける渡邊翔真(武蔵狭山ボーイズ)
ーー 次は、ベスト8に進出したジャイアンツカップについて伺いたいと思います。まずベスト8まで進出した要因はどんなところだと思いますか。
渡邊 試合に出ている選手だけじゃなくて、出ていない選手が試合前から色々なサポートをしてくれたことが要因だと思います。
ーー そんな中、準々決勝では弘前聖愛リトルシニアに逆転負けを喫しました。敗因はどんなところだと感じていますか。
渡邊 今思えば、負けた試合はチームとして気の緩みがあったと思います。逆転される前の回に、点差を3点に広げたのですが、それが気の緩みに繋がったのかなと。
ーー その敗戦から、高校では心掛けていきたいことはありますか?
渡邊 イニングに入る前に、一回間を取れば良かったのかなと思っています。なので高校では間を取ったり、そういった細かいところも心掛けていきたいと思います。
ーー なるほど!ちなみに個人的に掴んだ手応えはありましたか?
渡邊 バッティングの時、今まではボールに合わせにいってゴロになることが多くありました。ですが、ジャイアンツカップは夢の舞台だったので、思い切っていこうとしたのが良かったです。少し詰まってもヒットになることが多かったです。
[page_break:今宮健太選手を自身のプレースタイルに重ね合わせる] 手応えと課題を手土産に、来年からは高校野球に挑戦する渡邊選手。来春からは、宮城県内の強豪校へ進学予定になっている。
ここからは高校野球に向けての意気込みや、理想とする選手像、そして野球選手としての最終的な目標について語っていただいた。
今宮健太選手を自身のプレースタイルに重ね合わせる
ピッチングを行う渡邊翔真(武蔵狭山ボーイズ)
ーー ここからは高校野球への意気込みを伺いたいと思います。まず、高校ではどういう選手になりたいか教えてください。
渡邊 まずは甲子園に行って、守備も上手くなって、バッティングももっと打てる選手になりたいと思っています。
ーー 目標にしている選手はいますか?
渡邊 福岡ソフトバンクホークスの今宮健太選手みたいになりたいです。守備が上手いですし、バッティングも、ヒットも打てるし、思い切っていったらホームランも打てるところが凄いと思います。
ーー なるほど!ちなみにこの夏の甲子園は観ましたか?
渡邊 自分は、金足農と近江の試合が印象に残っています。最終回のツーランスクイズが本当に印象に残りました。
ーー バッターとして観て、印象に残ったバッターはいましたか?
渡邊 大阪桐蔭の左バッターの藤原恭大選手です。追い込まれたらヒットを打ちにいけて、それまでは思い切って振っていけるところが凄いと思いました。
ーー ありがとうございます!それでは最後に野球選手としての最終的な目標を教えて下さい。
渡邊 自分もプロ野球選手になって、最終的には海外で野球がしたいと思っています。大きな目標ですが頑張りたいと思います。
取材後記
インタビュー中は、物静かで言葉少なな印象を受けた渡邊選手。だが、いざ練習が始まると打撃でも守備でも果敢で積極的なプレーを披露した。そのアグレッシブなプレーで、高校では「今宮健太二世」と呼ばれる活躍を見せて欲しい。
文=栗崎 祐太朗