試合レポート

東海大相模vs鳥取城北

2021.03.27

エースもアグレッシブベースボールを実践!東海大相模・石田隼都が5回7奪三振の圧巻リリーフ!

東海大相模vs鳥取城北 | 高校野球ドットコム
石田隼都(東海大相模)

 TOKAI対決を制した東海大相模三島南との熾烈な一戦を制した鳥取城北。ベスト8進出をかけた一戦は、激しい投手戦となった。

 東海大相模求航太郎鳥取城北山内龍亜の両投手がストレートの軸に、縦に落ちる変化球を駆使する投球術でホームを踏ませない投球で引き締まった展開に。その中でも東海大相模が2回に4番・柴田疾の出塁からチャンスを作り、6番・佐藤優真のタイムリーで先取点をもぎ取った。

 これが決勝点。東海大相模は2番手に石田隼都を投入するなど、1点を何とか守り抜いて鳥取城北から勝利。ベスト8進出を決めた。

 辛くも勝利した東海大相模鳥取城北との投手戦で苦しい試合となったが。そのなかでも踏ん張りを見せてきたのはエース・石田隼都だろう。5回から登板し、再三得点圏にランナーを背負うピンチを招き続けたが、最速142キロを計測したストレートを軸に鳥取城北にあと1本を許すことはなかった。

 5回から行くことは事前に言われていたという石田は「準備はできていました」と万全の態勢でリリーフのマウンドに上がった。

 石田は最速142キロを計測するなど5回投げて無失点。平均球速も137.1キロと、前回の東海大甲府戦ほどではないが、この試合でもスケールアップした速球を駆使して相手打線を圧倒。ランナーを背負いピンチを招きながらも、力で相手打線を圧倒した。

 一冬かけてウエイトトレーニング、そしてランニングといった地道な反復練習を重ねてきた。その結果、フィジカル面が強化されたことで、投げるボールそのものもスケールアップしたが、意識の面でも変化してきたことが打者を圧倒する投球に繋がっていると考えられる。

 「投手陣全員が後ろの投手に繋ぐつもりで投げていますので、短いイニングを全力で腕を振って、投げるようにしています。頼もしい仲間だと思っています」

 難しく考えることなく、とにかくミットを狙って腕を振り切る。シンプルかつ単純だからこそ迷わないというのもあるだろう。そしてこの試合に限っていえば攻めの姿勢が石田のピッチングの後押しになっただろう。

 「9回のピンチの時に伝令の小林からは『攻めてこい』と言われました。なので、攻める気持ちをもって腕を振っていきました」

 門馬監督もこのシーンについては、「あそこは技術ではなく、気持ちだと思いましたので、伝令に伝えてもらった」と話しており、ピッチングでも東海大相模の象徴『アグレッシブベースボール』を貫くことを石田に伝え、それを体現するべく思い切り左腕を振り続けた。

 得意の走塁を絡めた攻撃は鳥取城北バッテリーの前に発揮できなかったが、石田がピッチングで十八番の『アグレッシブベースボール』を見せ、ベスト8の道を切り開いた。ここからはさらに厳しい一戦となるが、この試合のように攻めの姿勢を貫いていけるか注目だ。

(取材=田中裕毅

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.28

交流戦開幕、初戦の注目は髙橋宏斗vs.今井達也の初対決!

2024.05.28

【鹿児島】鹿児島玉龍と樟南が8強へ<NHK旗>

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】川内商工が2試合連続逆転サヨナラ勝ち!雨のため2試合が継続試合

2024.05.28

【大分】佐伯鶴城は4戦3勝、杵築は4戦で1勝<強化試合>

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】錦江湾が1点差勝利!出水工の追い上げ、あと1点及ばず

2024.05.25

【熊本】九州学院、熊本工が決勝へ<NHK旗>

2024.05.25

首都2部優勝の武蔵大の新入生に浦和学院の大型左腕、左の強打者、昌平の主軸打者など埼玉の強豪校の逸材が入部!

2024.05.25

【関東】白鷗大足利が初、逆転サヨナラの常総学院は15年ぶり決勝<春季地区大会>

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】実力派監督就任で進化した奈良の名門・天理。超高校級の逸材3人を擁し、緻密な攻守で全国クラスのチームに!

2024.05.25

【岩手】盛岡大附がサヨナラ、花巻東がコールドで決勝進出、東北大会出場へ<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商