鹿児島城西は「主役」となれるか?23年の鹿児島をリードする新チームを先取り
まだ夏の大会が終わって、新チームがスタートした段階なので、各チームの戦力は未知数だ。8月末の各地区大会が終わった段階である程度の傾向は見えてくるだろうが、本稿では夏に活躍した下級生のいるチームを中心に挙げていきたい。
真っ先に活躍を予感させるのは鹿児島城西だろう。ホームランを量産する強打者・明瀬 諒介内野手をはじめ、レギュラーの黒川 虎太郎捕手、左利きで内野を守る濱田 陵輔内野手、リリーフで好投した芦谷 原睦投手ら、前チームで主力を担った2年生が多数残っている。明瀬が184センチ、池野 航太投手(2年)が189センチ、内田 祭人投手(2年)が188センチと、大型選手がそろっているのも魅力的である。20年に春センバツ出場を射止めたが、コロナで大会は中止。夏の代替大会を経験したのみである。新年度は鹿児島の「主役」となり、正真正銘の甲子園出場が果たせるか?
神村学園も例年通り、下級生も力のある選手がそろう。1年生大会は決勝戦で鹿児島城西に勝って優勝した。投手では前チームでエース番号を背負ったこともある右腕・松永 優斗投手(2年)がいる。打者は今岡 歩夢内野手(2年)、秋元 悠汰外野手(2年)がレギュラーで活躍した。夏初戦敗退の悔しさを味わった分、新チームでの雪辱の思いも強いだろう。
夏準優勝の鹿児島大島はリードオフマンの有馬 航大内野手(2年)や体岡 大地内野手(2年)、田邊 瑛吉外野手(2年)、関 凛太朗内野手(2年)らが前チームの試合を経験している。大野 稼頭央投手(3年)のような絶対的エースはいないが「投げられる投手が多いので、新チームは継投になりそう」と塗木 哲哉監督は言う。
夏の甲子園に出場した鹿児島実は、遊撃手・一ノ瀬 獅堂内野手、3番を打つ植戸 颯大外野手が2年生でレギュラーを張る。もう一つの名門・樟南は遊撃手・畝地 竣己、三塁手・下山 敬斗、左翼手・茶園 将太、右翼手・小峰 康矢の4人が2年生レギュラーだった。いずれも投手として実績のある選手が見当たらないので、誰が台頭してくるかが注目だろう。
夏4強の鹿屋中央は、夏の大会でブレークした2年生左腕・郡山 一心投手、リードオフマンの村山 源外野手(2年)がいるのが心強い。国分中央や鹿屋農は夏まで3年生が主力で、新チームは総入れ替えとなるため実力は読めない。
夏8強の出水中央は齋藤 凌内野手、德田 怜雅内野手の2年生が夏の中軸を打った経験がある。鹿児島川内は有村 龍治捕手(2年)がレギュラーで経験を積み、打力も勝負強さが光る。鹿児島玉龍は左腕・川畑陽介投手(2年)やリードオフマンの森田悠介内野手(2年)がチームをけん引することになりそうだ。古豪・鹿児島商では1年生ながら中堅手レギュラーの坂口 隼也外野手のセンスの良さが光る。鹿児島情報の2年生右腕・野村 直紀投手は184センチの長身から力のある球を投げる。鹿児島の2年生右腕・森山 颯投手は前チームからの経験があり、打撃センスもある。
(文=政 純一郎)