鹿児島実業vs妻、鹿児島実業vs西都商業
伝統ある強豪校の胸をかり、「学び」多き1日に。
鹿児島実業vs妻・西都商業 試合写真
2014年11月30日。今シーズンの対外試合最終日。
「西都から甲子園へ」と意気込む西都市の県立校(妻・西都商)が、強豪私立校の鹿児島実業に挑んだが、格の違いを思い知ることになった。
投手がコース・低めを突けないとタイムリーを浴びる。簡単に外野まで運ばれる。
隙をみせれば塁を盗まれる。簡単に進塁を許す。
随所で隙をつくってしまった2校。そつなく攻める鹿実打線につかまって、惨敗だった。
また、伝統ある鹿実には、昔も今も変わらぬ挨拶・礼・声の大きさがある。
このような高校球児の姿を初めて見た選手・保護者・一般観客の地域住民も多かったかもしれない。
監督・コーチ・選手・スタンドの保護者全員、一人も乱れることなく心が一つになっている。
真似しようと思っても、そう簡単に出来ることではないだろうが、同高校球児・同学年として、「鹿実」のようになりたい!強豪校に少しでも近づきたいと思い、チーム改革と意識向上を図るのなら、出来ることはそのようなことからだろう。
貴重な対外試合最終日に、宮崎県西都市まで来てくれ、悪天候のなか全力で戦ってくれた鹿実ナインへ。
そして、鹿実ナインとの交流試合を実現させてくれた西都市・大会関係者へ。
この「学び」多き1日を経験した妻ナイン・西都商ナインは、一冬を越えて、春・夏に大きな成長を果たした姿をみせることで恩返しとしたいところだ。
[page_break:3チームの監督コメント] 鹿児島実業・宮下正一監督
「(2チームの印象)やはりピッチャーがしっかりしていないと、こういう試合になる。」
「(宮崎県高校野球の印象)九州で甲子園優勝がないのは宮崎だけ。鹿児島も夏の優勝はないが、センバツで優勝した。宮崎は、春でも夏でも優勝旗を1本でも持ち帰ることが出来たら変わると思う。まだ、小粒の選手が多い感じがする。」
「(来春地区大会から導入されるタイブレークについて)全国的に決まったことには従うしかないが、これまで、延長戦になっても戦えるだけの選手(投手)をつくるために厳しい練習をしてきた。日本のピッチャーが弱くなるような心配もあるが、タイブレーク用の練習も必要になってくるだろう。」
■妻・持永大樹監督
「名前負けしたところがあった。練習していることが、試合で出来ないのがもったいない。精神的な弱さもある。応援してくださる方、『妻高等学校野球部を支援する会』に申し訳なかった。鹿児島実業さんと体・振る力・走塁の意識が全然違うので、春までに体から鍛えていきたい。」
■西都商・佐々木典彦監督
「(鹿児島実業の印象)鹿実クラスと戦うのは初めてだった。全国制覇を本気で狙うチームで、個々の能力が高く、体つき・目つき・スイングスピードが違う。走塁の意識もチーム全体で高かった。これから、体づくり・技術面を徹底的に鍛えていく。」
(写真・文=三角 竜之)