駿台学園vs都立昭和
駿台学園 佐々木の本塁打で主導権を握り松崎が抑え都大会進出
本塁打を放った駿台学園・佐々木 優
＜秋季東京都高校野球大会1次予選：駿台学園4－1都立昭和＞◇17日◇代表決定戦◇あきる野市民
私立と都立の力のあるチームの対戦。駿台学園は夏の大会の経験者が多いが、主将の關川夏生は負傷で出遅れている。ただそれを感じさせない、戦力の厚みがあった。
試合は初回にいきなり動いた。都立昭和は横手投げの堀部尚也が先発した。1回表、駿台学園は1番・宮原光希が二塁打を放つと、2番・内田奏音のバントは内野安打になり、3番・小林優斗の左犠飛で1点を先制する。さらに4番・佐々木優は2ランを放ちいきなり3点。駿台学園の一方的な展開になりそうだった。しかしその後、都立昭和の中堅手、主将の守屋奈央斗、二塁手の久保翔一朗が相次いでファインプレー。駿台学園の猛攻を食い止めた。
反撃をしたい都立昭和であったが、駿台学園の1年生左腕・松崎瞬の変化球を駆使した丁寧な投球の前に、反撃の糸口をつかめない。6回裏、都立昭和は2本の安打と犠打で1死二、三塁のチャンスをつかむものの、セーフティースクイズで本塁に還れないなど、チャンスを生かせない。
都立昭和は5回から長身の渡辺彗吾が登板する。渡辺は時折力のある速球を投げ込み、素材の良さを感じさせる。「本来は彼がエース。でもまだまだ信頼を得られていません」と大原博文監督は語る。重要なのは本人の自覚なのだろうが、今後のトレーニング次第では、大きく成長する可能性を感じさせる投球だった。
駿台学園は初回に3点を取ったものの、本塁打を打った佐々木はその後の3打席は三振に倒れるなど、攻撃が続かない。それでも7回表1死一、三塁から一塁走者が盗塁すると、捕手の送球が暴投になりようやく1点を追加する。
都立昭和は8回裏、途中出場の福田虎太郎が中前安打で出塁した後、暴投などで三塁に進み、4番・三好智文の捕飛を駿台学園の捕手が捕球したままダッグアウトに入ったため、三塁走者にテイクワンベースが認められ都立昭和は1点を返したが、反撃もここまでだった。
駿台学園は夏の経験者が多く残ることはプラス材料だが、夏までは打てなかったことも確か。「夏休みの後半から打てるようになり、少しずつ上がってきています」と三角裕監督。關川夏が都大会に間に合えば、さらに上積みが期待される。
都立昭和は敗れたが、守備力で一方的になりそうな試合を持ち直したことは評価できる。2番手として登板した渡辺が、現エースの堀部らチーム内の競争を通して成長すれば、春以降の戦いに期待が持てるのではないか。
（記事＝大島 裕史）
