V候補の福岡大大濠は激戦ブロック、西日本短大附は連続甲子園狙う!秋季福岡大会展望
山下恭吾(福岡大大濠)、黒田義信(九州国際大付)
来年春のセンバツにつながる福岡県秋季大会は19日に開幕する。全国的にみても激戦区で今年も熱い戦いが予想される。
ここ5年間、福岡秋季大会で優勝した5チーム中4チームが翌年のセンバツに出場を決めている。「福岡の秋を制するものはセンバツを射止める」。来月10月24日までの長丁場レースを予想してみた。
組み合わせのヤグラでは、8強までのブロックを南北4チームずつで振り分けられている。そのブロックごとの展望を紹介する。
北Aブロック
いきなり初戦の好カードが組まれている。今夏準優勝の真颯館に、17年センバツ出場の東海大福岡が激突する。ともに戦力は充実。初戦にしてはもったいない対決だが、勝利チームはブロックの決勝まで進むことになるだろう。ここに対抗するのは公立の伝統校、小倉。打者として長打力も兼ね備える最速145キロ右腕・吉川 雅崇投手( 2年)を中心として、上位をうかがう。
北Bブロック
優勝候補の九州国際大附がひかえる。夏までのメンバーが多数残っているのが強味だ。プロも注目している町田 海斗捕手(2年)に加え、夏から4番を務めた黒田 義信内野手(2年)を中心とした打撃陣は強力だ。ただ、初戦の相手、北九州市立も例年、好投手を育てているので、要注意。強豪にありがちな鬼門の初戦さえ突破できれば、上位には届くだろう。東筑、折尾愛真がどこまで対抗できるか。
北Cブロック
激戦区。名実ともに抜けているチームはいないが、北筑が一歩リードか。今夏も16強に進出した強豪で、投打ともにバランスがいい。進学校ながら堅実な野球に徹する八幡に加え、北九州、東筑紫学園などもあなどれない。
北Dブロック
飯塚が筆頭だろう。今夏では伝統の打撃力を発揮して、4強に進出した。準決勝で優勝した西日本短大附に負けはしたが、粘り強さは証明した。191センチ、長身の白濱 快起投手 ( 2年)が中心で、140キロ超えの直球を持つ潜在能力の高さは折り紙付き。投打に力があり、優位はゆるぎない。
南Aブロック
公立校の強豪、春日と九産大九産の争いが予想される。順当に勝ち進めばベスト8をかけて対決することになる。今春の博多工戦で7回参考ながらノーヒットノーランをマークした左腕飯田 泰成投手(2年)を中心とした守り、粘りが身上の春日と、私立強豪らしく打撃で圧倒する九産大九産か。福岡工と柳川という初戦の好カードも見逃せない。
南Bブロック
夏春連続甲子園を狙う西日本短大附が筆頭になる。夏メンバーで残った5番打者・山口 雄大内野手(2年)をはじめ、穴井 秀山内野手(2年)今田 塁陽外野手(2年)の5、6、7番打者に加え、1年生ながら夏にレギュラーを奪った江口 翔人内野手(1年)は、甲子園で1番も務めた。169センチと大きくはないが、堅実な二塁守備と俊足好打が武器で、甲子園でも安打をマークした自信を秋にもつなげる。ただし、初戦の相手が祐誠。毎年上位に進出している強豪校だけに苦戦は予想される。その他、福岡市内では屈指の進学校で、20年独自大会では優勝も経験している福岡もいて、順当にいけば8強をかけて対戦する可能性がある。
南Cブロック
筑陽学園が中心となる。今夏は4強に進んで、真颯館の前に敗れたが、甲子園に行く力は十分にあった。チームは変わるが、実力は抜けている。沖学園、糸島あたりが対抗馬になるだろうが、筑陽学園の優位は変わらない。
南Dブロック
ハイレベルな激戦ブロックとなった。優勝候補として名が挙がる福岡大大濠に加え、毎大会上位常連の福岡工大城東、東福岡、久留米商がいる。さらに、初戦から九産大九州と大牟田が激突。目が離せないブロックとなりそうだ。福岡大大濠は不動のショートストップ、山下 恭吾内野手(2年)が中心。夏のメンバーだった、右トルネードの馬場 拓海投手(2年)、俊足好打の友納 周哉内野手(2年)と、タレントをそろえる。福岡工大城東は速球が魅力の内田 海翔投手(2年)を中心として守り勝つ野球で対抗する。戦力、実績、経験がある福岡大大濠は優位だろうが、どこが勝ち上がってもおかしくないブロックとなった。
過去10年の福岡県秋季大会成績(◎は翌年センバツ出場)では、激戦を勝ち抜いた結果とあってか、近年はそのまま九州大会4強以上の成績を収めて翌年センバツに出場している高校は多い。
【過去10年の優勝校、準優勝校、4強】
2020年 ◎福岡大大濠、九州国際大附、西日本短大附・北筑
2019年 福岡第一、福岡工大城東、八幡南・宗像
2018年 ◎筑陽学園、九州国際大附、小倉工・真颯館
2017年 ◎東筑、筑陽学園、小倉・東福岡
2016年 ◎福岡大大濠、◎東海大福岡、筑陽学園・小倉工
2015年 九産大九産、小倉、福岡大大濠・九産大九州
2014年 ◎九産大九州、東福岡、八幡南・光陵
2013年 九州国際大附、西日本短大附、小倉・久留米商
2012年 久留米商、門司学園、飯塚・筑陽学園
2011年 自由ケ丘、福岡工大城東、大牟田・育徳館
10月16、17日に北九州市民球場を舞台に、準々決勝がスタート。23日準決勝、24日決勝・3位決定戦まで、熱戦に注目される。
(記事:浦田 由紀夫)