【準決勝展望】日大三vs金足農、済美vs大阪桐蔭 激戦が予想される2試合のポイントは?
ついに準決勝!
8月20日、第100回全国高等学校野球選手権記念大会は準決勝を迎える。激闘続きだった準々決勝の4試合を制したのは、大阪桐蔭、済美、日大三、金足農だ。準決勝の始球式を務めるのは桑田真澄さん。34年前、準決勝進出した金足農は、PL学園のエースだった桑田さんに抑えられて敗退した。レジェンド始球式でこういう巡り合わせもなかなかない。もし金足農が後攻となれば、桑田二世と呼ばれる吉田輝星と桑田さんが一緒に映る可能性もある。さて準決勝の見どころを紹介したい。
ともに今大会、1点差勝利2回の対決。特に日大三は西東京大会から苦戦続き。接戦勝利の数は日大三が上回っている。苦戦になっても最後は日大三が制する。それが今年の日大三の強みだ。打線のカギを握るには1番金子凌、3番日置航、4番大塚晃平。伸びのある吉田輝星のストレートに対し、振り遅れることなく、しっかりと叩けるか。日大三は日大鶴ヶ丘の剛速球右腕・勝又温史を攻略している。その経験を生かす時がきた。
投手陣ではここまでリリーフとして大奮闘を見せている河村唯人にどう回すかが課題となる。先発となるのは中村奎太、廣澤優、井上広輝か。今のところ龍谷大平安戦で5回2失点の好投を見せた廣澤の方が、自慢の速球で押していけるかもしれない。球数をあまり投げられない井上はここぞという場面の切り札として取っておきたい。
対する金足農はここまで1人で投げ抜いてきたエース・吉田の疲労が大変気がかりである。股関節を痛めており、150キロで押すほどの力が残っているのか。近江戦のような力みが取れたピッチングを期待するしかない方法だ。とはいえ、吉田は投球術の巧さでしのぐことができる。できれば、3~4失点にとどめたいところだろう。
日大三からすれば、5~6点はとりたい。対する金足農は3~4点。また先攻、後攻をどちらがとるか。後攻が金足農ならば何かが起きるかもしれない。それはもちろんこれまでの試合で激戦を制している日大三も同様である。
両校の対決は昨年のえひめ国体以来。えひめ国体では、済美が9回表までリードしながら、最後は逆転3ランで敗れている。それだけに今年は大阪桐蔭撃破に燃えている。これまで中央学院、星稜、高知商、報徳学園と曲者チームぞろいを破っており、まさに「やればできるは魔法の合い言葉」を体現した戦いを見せている。
済美は1番・矢野功一郎、4番・池内優一を軸とした打線は強力。大阪桐蔭投手陣の140キロ後半に負けない打撃を見せていきたい。投手陣では山口直哉、池内優一がいるが、やはりエース・山口となりそう。大阪桐蔭打線は偏りがある配球は禁物。内外角・高低を使って抑えていきたい。
大阪桐蔭は強力な浦和学院投手陣を攻略したように打線の調子を上げてきた。中心である根尾昂、藤原恭大は本領発揮。簡単な揺さぶりは通用しない。攻めるところは攻める。交わすところはかわす割り切りが必要だ。
接戦を呼び込むのは済美の山口のピッチング次第。終盤まで手に汗握る勝負を期待したい。