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野球用具のお手入れ方法 2014

2014.04.18

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 高校野球を始める時に、いろいろと必要になってくる用具。グラブ、スパイクなど、お手入れはどうすればよいのだろうか? また、具体的にどんな商品をそろえれば、高校野球を始められるのか? 野球用品専門店として、全国の高校球児から支持されている「ベースマン」の飯田橋本店で、野球用具選びのプロ池北 晃明さん(54)に話を聞いた。

グラブは保湿が大切!

ベースマン飯田橋本店・池北 晃明さん

 グラブやスパイクを使う時、大事になってくるのがメンテナンスだ。いろいろと個人のやり方もあるかもしれないが、実際のところ、どんな風にするのがお勧めなのだろうか?

 まずはグラブから。普段のお手入れで大事なのは、油を塗りすぎないことだ。人間の肌と同じで、カサカサなのも、ベトベトなのもNG。油でベトベトしている箇所は、革がくたくたになりやすく、土も付きやすい。池北さんは「ほどよい保湿を目指してほしい」と話す。

 練習や試合で使った場合、その日のうちにグラブについた土や、汚れを落とすことが大切だ。そのうえで、乾かない程度にからぶきをしておくとよい。

 油を塗るのは、毎日練習で使っている場合でも2日に1回程度、使用頻度によっては3日に1回程度でよいという。塗りすぎはグラブに良くないからだ。

 固形の油を使う場合、お勧めなのが、指を使って塗ること。薄く塗れ、さらに塗り斑をなくすこともできるからだ。もし、厚めに塗ってしまった箇所がある時は、歯ブラシなどで油を落としてあげると良いという。

「グラブは毎日使った場合、1年でかなりダメになる。高校生の場合だと、新入生で入った時と、2年生の夏が終わって、新チームになった時、2年半で2個、グラブを買うことが多い」
 という。

[page_breakスパイクは金具の土もしっかり落として]

スパイクは金具の土もしっかり落として

 次にスパイク。練習用と試合用を履き分ける球児も多いが、スパイクは、毎日の手入れが肝心という。池北さんは、

「合皮のスパイクが多いけど、毎日泥を落として、水拭きしてほしい。レザーであれば靴墨、ヌバックの場合も専用の商品がある。下の金具についた土も、金ブラシなどを使って、毎日ちゃんと落として。これが、プレーがうまくなる秘訣でもある。しっかりと落とさないと、土が固まってしまって、とれなくなる。放っておくと、金具だけでなく、スパイクそのものも交換しないといけなくなってしまう」

 と話す。また、革底、ウレタン製のネジなど、刃が交換できるスパイクもあるが、本体を傷つけないためにも、刃は、「まだ大丈夫かなと思うくらい」(池北さん)長めのうちに交換するのがポイントという。

 スパイクといえば、雨の日の乾かし方も気になる。布団乾燥機などと組み合わせて使うことで、すぐに乾かせる商品も売られているが、そういった便利グッズがない場合は、新聞紙を詰めて、風通しの良い場所に置いて乾かす。ドライヤーを使ってもよいが、表面が傷んでしまうため、この場合は上から保湿することが大切だ。

 ちなみに、スパイクは0.5~0.7センチ程度、つま先から開いているのが理想だ。多くの球児が高校3年間で身長が伸び、足のサイズも変わる。このため、スパイクはグラブよりも早く、半年ほどで交換する球児が多いという。

これがあれば、高校野球を始められる!

 高校野球を始めるには、グラブ、スパイク、アンダーシャツなど、さまざまな用具をそろえる必要がある。いったい何を買えばよい?池北さんに聞くと、

自分に合ったものをしっかりと選んで、いかに愛情を注ぐかが大事。

・スパイク
・アンダーシャツ
・ベルト
・スライディングパンツ
・ストッキング
・ソックス
・手袋(バッティング用、守備用とも)
・帽子(学校指定の場合が多い)
・バッグ(学校指定の場合が多い)
・ユニフォーム(学校指定)

 と11種類の商品を挙げてくれた。バットはリストに入っていないが、これは学校にあることが多いため。バット以外で、一式そろえると、10万円ほどかかるという。

 リストの中で、近年、性能がどんどん上がっているのがアンダーシャツだ。今は、ピタっとした着心地のものが主流。さまざまなメーカーの製品がある中で、ミズノの「バイオギア」シリーズなどが、この春は高い人気を誇っているという。

 練習などで汗をかく高校球児には、結構な枚数が必要そうだが、池北さんは、
「最近の商品は発汗性が優れてきているので、汗が(中にたまらず、生地の)外に出てくる。それを拭いてしまえば、1日に何回もアンダーシャツを交換する必要はない。実際に洗濯するお母さんとの相談にもなるけど、洗い替えのものを含めて、3枚ぐらいそろえれば十分では」
 と教えてくれた。ちなみに、最近のアンダーシャツの素材には、ポリエステルやポリウレタンが使われていることが多いため、乾きやすいという。

 また、チームの方針によって使用するかどうか分かれるのが、守備用の手袋だ。使わない球児も多いが、池北さんは、
「最近の子はクーラーの影響か、夏場の手汗がすごい。チームによっては、使わないところもあるけど、使ってもよいのであれば、手汗を防ぐ意味や、道具を長持ちさせるためにもそろえた方が良い」
 と最新の事情を教えてくれた。

 用具をそろえるのも、メンテナンスも一苦労だが、池北さんは、
「グラブやスパイクといった道具は戦うための武器。自分に合ったものをしっかりと選んで、いかに愛情を注ぐかが大事。それができていないと、試合でも負けます」
 と強調した。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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