エネルギーを蓄えるために心がけること (1/3)
第34回 エネルギーを蓄えるために心がけること (1/3)2011年05月01日
【エネルギー源である炭水化物をしっかり摂ろう】
各地で春の大会もほぼ終わり、夏の大会に向けて頑張っているところでしょうか。早い地区では大会まであと1ヶ月半、私が住んでいる福岡でもあと2カ月となりました。
さて、種目によって試合時間は違いますが野球は試合時間が長いスポーツですね。5回コールドでも1時間以上、9回までやると2時間半程度、延長になるとそれ以上!!!!そんな野球で大切なことは、エネルギー切れを起こさないこと。どんなに練習しても、肝心な試合中にエネルギーが切れてしまっては元も子もありません。では、エネルギー切れを起こさないためにどうしたらいいか、今月から3回シリーズでお話したいと思います。
エネルギー源って何だったか覚えていますか?炭水化物でしたね。炭水化物が多く含まれているものは?米(ご飯)、パン、麺類、バナナ、いも…など、色々ありました。(覚えていなかった人は第3回コラム炭水化物をもう一度読んでみましょう)
第一回の今月は、炭水化物を摂るために普段から心がけることについてお話しします。
【球児の食事シーン。学校によっては1人3合も!】
まずは、米(ご飯)をしっかり食べてほしいですね。一食の食事でどれくらいの米(ご飯)を食べていますか?一食あたり丼2杯(茶碗3杯)は食べられるようにしましょう。今、まだ足りていない人もまずは一口ずつでも多く食べられるよう努力してみてください。
先ほど復習したように、炭水化物を多く含む食品は米(ご飯)以外にもたくさんあります。もちや麺類などはもちろんですが、パンは手軽に食べることができますのでうまく取り入れましょう。ただし、クリームたっぷりの甘いパンや油たっぷりの揚げパンなどは不向きです。
また、いもやカボチャなどにも多く含まれます。主菜や副菜(おかず)としてだけでなく間食としても使える食材。またビタミンや食物繊維も豊富です。
さて、炭水化物の吸収を促進する栄養素がありましたね。ビタミンB群でした。(覚えていなかった人は第7回コラムをもう一度読んでみてください)ビタミンB群は肉や魚にも多く含まれますし、玄米や大豆にも多く含まれます。食事として摂ることができるときは主菜を一緒に、補食として摂るときは玄米おにぎりにしてみたり納豆巻きにしてみたりと工夫してみてもいいでしょう。
とはいっても、1日にするとかなりの量を食べなくてはなりません。ゆっくりと食事を摂る時間がない、また食が細い…そんな時は食数を増やしましょう。プロ野球選手でさえ三食以外に補食を2,3回摂るのですから、みなさんの意識の中で「補食でも炭水化物を補う」と思っていてもいいでしょう。
保護者の方、寮で食事を作られる方は、選手が食事でたくさん食べられるよう意識付けをお願いします。また手軽に摂れる補食も準備していただけるとありがたいですね。指導者のみなさんは、練習中の休憩で選手が補食を進んで摂れるよう配慮していただけると嬉しいです。
(文=鎌倉 彩)
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