磯村峻平(中京大中京)「世界大会の好投でつかんだ自信」
現地時間9月10日、第28回WBSC U-18ベースボールワールドカップ、侍ジャパンU-18代表はカナダと対戦。8対1で破り、銅メダルを獲得。3大会連続の受賞となった。今大会、選手に話を聞くと、それぞれの選手が自信になったこと、収穫になったことがあった。インタビューの最終回は磯村峻平(中京大中京)投手!大会直前まで左ひじを痛めて、登板機会が少なかった投手だった。しかし夏では快投を続け、夏の甲子園出場、甲子園でも好投。U-18代表入りも掴んだ磯村。今大会も4試合に登板し、活躍を見せた磯村にこれまでの活躍を振り返ってもらった。
自分が武器とする内角ストレートとフォークは自信となった
磯村峻平(中京大中京)
「自分、全く夏までチームに貢献できなかったんですよね」と振り返る磯村。夏前まで左ひじを痛めて、戦線離脱をしていた投手であった。だが、夏前に復帰し、愛知大会では、背番号「10」ながら、愛知大会で14.1回を投げて、17奪三振。防御率0.63と抜群の安定感を発揮し、甲子園出場。そして甲子園では広陵相手に5.1回を投げて無失点。「広陵を最も抑えた男」となった。磯村の能力、甲子園での活躍を評価され、代表入りを掴んだ。
快投を続ける磯村を支えているのは、内角ストレートとフォーク。そして強気なマウンド捌きも1つの武器だ。
「緊張するんですけど、その緊張を楽しむといいますか、投げるときは気持ちを出して思い切って投げています。この夏は自分のピッチングがノビノビと出来て楽しかったです」
磯村は海外の舞台でも、自分の武器で強打者たちに立ち向かった。まず、初戦のメキシコ戦。「緊張しました」と振り返る磯村。だが、思い切りの良いピッチングで、2回を投げて4奪三振。ストレートも、最速143キロを計測するなど、上々の国際大会デビュー。磯村も、「初めてにしては上出来だったと思います」と笑顔を見せた。続くアメリカ戦でも1回3奪三振。そしてスーパーラウンドでは、オーストラリア戦で先発。小枝守監督は磯村を高く買っており、「投げべりしない。いわゆる投げ疲れをしない柔らかいフォームで投げる」と評価。首脳陣の高い期待を背負って登ったマウンドだが、6回途中まで3失点で降板する結果に。
「この試合、僕が自信としている内角ストレートを投げることができず、アウトコースのストレート、フォークを中心とした配球で苦しいピッチングとなってしまいました」と悔やんだ。だが、3位決定戦のカナダ戦では8回裏からリリーフで登場し、無失点に抑えるピッチング。
「この試合はコーナーも上手く投げられて上々のピッチングができました」と有終の美を飾るピッチングを見せた。今回、国際大会を経験して、得られたものは大きかった。
「外国人の打者は粗い部分あるんですけど、パワーがある打者が多いと痛感しました。それでも自分のボールは投げることができたと思いますし、自分が武器とする内角ストレートとフォークは自信となりました」
自信を掴んだ国際大会となった。卒業後は大学で野球を続ける磯村。これからも強心臓で、レベルの高い舞台で活躍を見せてほしい。
(取材/文・河嶋 宗一)