修徳vs都立淵江
3投手の継投と12安打6得点で修徳が初戦突破!
東東京の雄・修徳。2013年の夏の甲子園出場以降、あと一歩で甲子園までたどり着けない。今年から監督が荒井高志氏に代わり、新時代に心機一転で迎える今夏。初戦の都立淵江戦は緊迫の投手戦となった。
都立淵江の滝歩斗はストレートとスローカーブ、さらにスライダーとチェンジアップの3つをコーナーに丁寧に投げ分けて、奥行きと幅で勝負。このボールを修徳打線がなかなか捉えることができず、チャンスはできても点数を取れない。
一方、修徳の先発はエース・結城貞斗。ノーワインドアップから始動し、足を上げ切ったところで一度止まることで軸足にタメを作り、スリークォーターの高さから腕を振り切る本格派右腕。そのタメが結城にとって大事なのだ。
「タメに関しては二段モーションを取られたこともありましたが、やはり上半身だけで投げるとボールが浮いてしまうので下半身も使ってしっかりボールを投げることは大事にしています」
その結城は武器であるストレートとスライダーを軸に都立淵江打線を翻弄。2回に都立淵江の4番・住吉光栄にセンター前を許すものの、後続を断ち切り味方の援護点を待つ。
そして3回、修徳は2番・鈴木啓太がレフト前で出塁すると、4番・横手大路は四球。盗塁と相手バッテリーのエラーで二死二、三塁と得点圏になったところで、5番・村田修平のレフトへの二塁打で先取点を奪う。
5回にも村田の二塁打。そして7回には4番・横手と6番・岡崎秀馬のタイムリーで終始リードを守った修徳。先発の結城は7回まで投げて散発3安打に都立淵江を抑えて降板。エースとしてしっかり役割を果たすと、8回に3番・染田棟皓のライトへの犠牲フライでダメ押し。
2番手の左腕・秋月香希と3番手・唐津健太がその後しっかり抑えてゲームセット。3投手による完封リレーで都立淵江をシャットアウトした修徳が初戦を6対0で勝利した。
初戦を勝利した修徳の荒井監督は試合後、「序盤少し硬かったですが3回くらいから落ち着いて戦えたので、トータルではいい試合運びでした」とまずは試合展開を振り返った後、結城投手の出来について「良かったと思います。みんなが硬い中、飄々と投げてくれました。今日は結城につきます」とエースを称えた。
そして荒井監督も称賛した結城投手に試合を振り返ってもらうと、「キャッチボールの段階で力が入っていたのでボールが浮いていてよくなかったです。しかし試合の時は1人1人集中してボールもまとめられたので、何とか試合を作れました。次の試合でも守備からリズムを作って、チームに流れを持ってくる。ゲームを作れるようなピッチングをしたいです」と自分のコンディションを客観的に振り返り、次への意気込みを語った。
次なる相手は多摩大目黒。そこに向けて荒井監督は、「気温がそこまで高くないので、選手たちへのストレスは少ないと思います。すぐに切り替えていければと思いますし、このまま明日の試合に入れるのでむしろ良かったので、次はもう少し楽に戦えればと思います」と明日の試合に向けて前向きなコメントを残した。
春は日大三の前に0対1で惜敗。「あの試合はこちらから仕掛けていけなかったのは反省でした。ただ春になって”ちゃんと足を動かしていく”といった基本をやってきたことで守れるチームになってきました。ですので、夏にかけてはバッティングに少しずつ力を入れてきました」と夏に向けてチームの強化ポイントを語った。この試合で放った12安打こそ、春からの成長の証拠となっていることだろう。
そしてエース・結城も「冬場は実践を意識して投げるようにして、コントロールを磨いてきました。そのコントロールを武器にでコースや変化をしっかり投げきれれば強豪も抑えられることがわかり、自信になりました」と敗戦から自身の成長を実感していた。
このブロックには3年連続夏の甲子園を狙う二松学舎大附がシード校として控える。次の多摩大目黒に勝利し、さらに勢いに乗っていきたい。
■開催期間:2019年7月7日~7月27日(予定)
■2019年 第101回 全国高等学校野球選手権 東東京大会(三回戦まで)
■組み合わせ表【2019年 第101回全国高等学校野球選手権大会東東京大会】
■展望コラム【東東京大会展望】二松学舎大附の夏三連覇を阻むチームは現るか?東東京大会を徹底解剖!
文=編集部