山田はどうなるのか?近江は大阪桐蔭にどう戦うべきか?決勝戦の見どころ
トーナメント表
・浦和学院、近江などが属するブロック
・大阪桐蔭、國學院久我山などが属するブロック
・ベスト8以上の組み合わせ
第94回選抜高校野球大会の決勝戦(31日、12時半試合開始)は近江(滋賀)vs大阪桐蔭の一戦となった。昨夏2回戦で激突し、近江が勝利している。ベンチ入り選手や、当時の試合でスタンドでみていた選手たちが主力選手となって再戦する。
そんな決勝戦について紹介していきたい。
山田はどうなるのか?近江は大阪桐蔭にどう戦うべきか?決勝戦の見所
前田悠伍、山田陽翔 東京スポーツ/アフロ
大会序盤だった昨年と違い、今年は決勝戦。しかも近江のエース・山田陽翔投手(3年)は、116球しか投げられず、浦和学院(埼玉)戦の死球で、左足を打撲。しかも前チームと違い、岩佐 直哉投手(龍谷大)のような実力投手もいるわけではない。今年のチームは山田以外の投手事情が苦しいと見られていた。
近江は新チームがスタートして半年間では甲子園で投げられる投手の育成は間に合わなかったということなのだろう。
戦力的に見て近江は、かなり苦しい状況である。
それでも山田と多賀監督のマインドを考えると、先発と思っていたが、やはり先発となった。投球数のリミットまで投げると考える。かなり酷なリクエストかもしれないが、望むは116球以内での完投勝利だ。現状の近江で大阪桐蔭に勝てるカードはそれしかないのだ。山田の将来などいろいろ思うことはあるだろう。才能豊かな野球人なので、致命傷にならないことを祈るばかりだ。
あくまで山田が好投するのが前提になるが、やはりリードされても2点〜3点以内に留めて、接戦狙い。1番・津田 基内野手(3年)、2番・横田 悟内野手(2年)、3番・中瀬樹内野手(3年)のミート力と小技が使える3選手が出塁し、4番・山田、5番・岡崎 幸聖内野手(3年)と長打力ある打者でかえすパターンだったが、山田は投球専念で9番。岡崎が4番になり、サヨナラ本塁打を放った大橋大翔(3年)が5番へ昇格したが、下位打線がどれだけ大阪桐蔭投手陣に食い下がることができるか。
大阪桐蔭は山田が登板した場合、対応力の高さを発揮できるか注目である。山田がしっかりと投げられる状態で、ここ2試合で見せてきた本塁打攻勢を見せると、いよいよ歴史に残る打撃結果となりそうだ。
投手陣は前田悠伍投手(2年)が先発だ。28日の準々決勝では6回を投げ、86球。これまでのペースを考えれば、万全の状態で投げることができそうだ。近畿同士の決戦。1点を争う好勝負になれば理想だ。
(文=河嶋 宗一)