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八戸学院光星vs智辯学園の一戦に要注目!大会7日目4試合の見所!

2019.08.11

 大会7日目。この日で49代表校が出揃う。初戦を終え、2試合目を迎える学校は本来の実力を発揮できるかもポイントになりそうだ。そんな7日目4試合の見所を紹介したい。

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第101回全国高等学校野球選手権大会

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土居毅人(宇和島東)

第1試合 宇和島東(愛媛)vs宇部鴻城(山口)

 かつての牛鬼打線を思い出す強力打線で乗り込む宇和島東。打線の中心は、打率.545を記録した村上裕一郎。手元まで呼び込んで豪快なスイングから振りぬく打球の鋭さは素晴らしく、甘く入れば甲子園でもスタンドインできるパワーは持っている。その中村を中心に、集中打で打ち崩す打撃は怖さを感じる。投げては技巧派サイド・舩田 清志、甲子園からベンチ入りする土居豪人松山聖陵卒1年目)の実弟・右スリークォーターから最速137キロのくせ玉を投げて勝負する右腕・土居毅人の起用もポイントだ。

 宇部鴻城の本格派左腕・池村健太郎は140キロ台の速球、120キロ台のスライダーで翻弄する。ただ、四死球が多く、32イニングで15四死球。また22奪三振と、ボールの勢いのわりに、三振はあまりとれていない。池村のコンビネーションがハマれば、打ち取れるが、思うようにいかない場合の継投策もあるだろう。

 打線は1番で俊足の岡田佑斗は逆方向にも長打が打てる左の巧打者。岡田含め4番・田中 力など本塁打を打っている打者が5人おり、どこからでも長打が出る打線である。

 個々の能力でいえば、宇部鴻城が上回っているが、宇部鴻城のエース・池村は成績部分に不安があり、その通りにいくと、5点~8点勝負の打撃戦となりそうだ。

第2試合 長崎海星(長崎)vs聖光学院(福島)

 両チームの主将に聞くと、共通しているのは今年は守備のチームだと口をそろえる。長崎海星は長崎大会では集中打を勝ち上がってきたが、坂本芽玖理主将はここぞという場面で守りぬいた守備こそが持ち味だと語る。6二塁打を放っている2番・大串祐貴、本塁打を放っている6番・村上流星、7番・浦田俊輔など打力が高い選手が揃う。投げては技巧派右腕・柴田蓮人、速球派右腕・江越永輝丸高遼の3枚看板で勝負。

 一方、聖光学院も春に敗れてからピンチどころで守れるチームを目指してきた。その証拠に福島大会では2失策と堅い守備を見せている。左腕・須藤翔が最少失点で切り抜ける。また控え投手も控える。

 実力は同等。終盤までもつれる接戦になるのではないだろうか。こういう緊迫した試合はエラーが出たチームが負ける。最後まで守り抜いたチームが勝者となるだろう。

[page_break:智辯学園(奈良)vs八戸学院光星(青森)/神村学園(鹿児島)vs高岡商(富山)]

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武岡龍世(八戸学院光星)写真:共同通信 坂下 翔馬(智辯学園)

第3試合 智辯学園(奈良)vs八戸学院光星(青森)

 強打のチーム同士の対決となった。どちらも投手力は全国レベルなのだが、それを上回る強打を持っている両校なのだ。奈良大会12本塁打を放っている智辯学園は5本塁打の3番・坂下 翔馬、1番で先頭打者本塁打もたびたび記録する塚本大夢、走攻守のスキルの高さはチームトップクラスの外野手・白石 陸など野手のタレント度は出場校トップクラス。投げては135キロ前後の速球を投げ分ける山本 奨人、切れのある130キロ台の速球を投げ込む西村 王雅、140キロ台の速球を投げ込む小畠一心と投手陣の顔ぶれも充実している。

 一方、八戸学院光星下山 昂大が一回戦で満塁本塁打を打っているようにどの打者も本塁打が打てるのも強み。当たりがなかった近藤遼一原瑞都の2人の活躍にも期待がかかる。

 また調子を上げている武岡龍世も初戦に続き一打を打てるか。投手陣では初戦で登板がなかった左腕・横山海夏凪のピッチングがカギとなりそう。スライダーを低めに集められる実戦派。こういう打撃力のチームは交わしてさらに制球力が高い左腕がいると大きな強みとなる。仲井監督は「総力戦で臨みます」と語ったように、試合序盤、中盤、終盤を分けてゲームプランを行い、その通りにできたチームが制するだろう。

 両校のチーム力を考えると、4点~10点勝負の振れ幅が大きいゲームとなりそう。シーソーゲームになるかもしれないし、一気にビッグイニングになるかもしれない。展開が読めないゲームとなりそうだ。

第4試合 神村学園(鹿児島)vs高岡商(富山)

 神村学園はエース・田中瞬太朗が安定している。もし登板となれば、中5日での登板になるが、初戦に続き、内外角をついた制球力重視のピッチングを見せていきたい。二遊間を中心にバックの守備は堅く、甲子園になれた2戦目は守備ミスからの失点も少ないだろう。打撃も田中 大陸古川 朋樹など初戦で当たっていた選手を中心に前半から仕掛ける攻撃を見せていきたい。

 対する高岡商は俊足・森田朝陽の巧打力、走塁技術、2番・井林泰雅の打撃力、4番・堀裕貴の長打力は前評判通りでクリーンナップの迫力は神村学園より上回っており、勢いにのっている1年生ショート・石黒和弥の打撃力も楽しみだ。投手陣は右サイドの荒井大地は交わす投球がどこまで持つか。速球派右腕・堀につなぐタイミングも重要となりそうだ。

 神村学園は初戦に続き、早い段階からリードを広げ、盤石な試合展開に持っていけるか。高岡商は試合序盤から仕掛けて、神村学園の猛追をしのげるほどの打ち勝つ野球を見せていきたい。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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