「令和最初の福岡の夏を獲りにいく」役者が揃った東海大福岡の主力たちが語る思い【後編】
2017年の選抜甲子園大会で、清宮幸太郎を擁する早稲田実などを破り、ベスト8進出を果たした東海大福岡。
今年のチームは、当時のメンバーを知る3年生の選手を中心に構成されており、秋季福岡県大会ではベスト16、春季福岡県大会でもベスト16と堅実な強さを維持している。今回は、そんな東海大福岡の主力選手4名にお話を伺い、春の敗戦から出た課題や夏に向けた取り組みを伺った。
後編では、チームの現状や夏に向けた課題、取り組みについて迫っていく。
<メンバー>
森田哲平(3年) 三塁手(主将)
藤木貫太(3年) 捕手
重田正輝(3年) 投手
大久保啓(3年) 投手
◆「縦縞のプライド」を胸に最後の夏へ突き進む 東海大福岡の主力座談会【前編】
まだ自分の殻を破りきれない選手が多い
東海大福岡の主力を務める左から森田哲平、大久保啓、藤木貫太、重田正輝
―― ここからはチームの現状について伺いたいと思います。まず今年のチームの特徴を教えてください。
森田 ずば抜けた選手はいませんが、チーム力を大事にしながら戦っているチームです。チーム力が持ち味だと思います。
藤木 確かにすごい選手はいません。守備からリズムを作って攻撃に繋げていくのがチームのスタイルです。
重田 自分も藤木と同じように思います。打撃というよりは 守り勝つチームです!
大久保 自分は、キャプテン副キャプテンを中心にして、何事にしても声を出してやっていこうと気持ちで負けないようにしているチームだと思います。大事なのは気持ちです!
―― 春季福岡県大会ではベスト16、福岡中央地区大会では2回戦敗退という結果でした。春の戦いから課題や収穫は見つかりましたか?
森田 ここぞという場面で、勝ちきれないのは自分たちの弱さだと思います。まだ自分の殻を破りきれない人が多くいて、まずは強い気持ちを持つこと最優先に練習を取り組むことを課題にしています。一球の大切さや重みを、いかに練習の中で感じながら緊張感を持って取り組めるかだと思います。
藤木 守備でも打撃でも、ここ一番で攻めきれなかったり、守りきれなかったりする場面が多くありました。自分の思うようなプレーが試合では出来ていない選手が多いので、そこが一番の課題かなと思っています。
重田 やっぱりその原因は、日頃の練習の意識の低さにあると思います。ノックでの厳しい声かけや、厳しさ持って練習に臨まないといけないと思っています。
大久保 自分は、チームとして波が激しいなと思っていて、悪い時はすごく悪い、いい時はイケイケ、みたいなところを課題に感じています。調子が悪い時でも、悪いなりに戦えるようになれたらいいと思っています。
―― ありがとうございます。では反対に、収穫となった部分はありますか?
森田 中央地区大会では、負けてはいけない相手に負けてしまい、今はとにかく這い上がろうという気持ちの中で練習しています。少しずつですが、上を目指す気持ちを持ってチームをなんとかしたいと思う選手が増えてきたところが収穫だと思います。
藤木 実は自分は怪我で、春季福岡県大会も中央地区大会も出場することが出来ませんでした。ゴールデンウィーク中にやっと復帰出来たのですが、今は怪我をする前に戻れたことが何よりの収穫です。
重田 自分は、右打者へのインコースのスライダーを使えるようになったことが収穫です。中央地区大会では、真っ直ぐの調子がすごく良かったのですが、頼りすぎたことで打たれてしまいました。やはり真っすぐだけではだめだと思い、変化球を中心に練習したことで右バ打者へのインコースのスライダーがピッチングで活きるようになってきました。
大久保 自分のピッチングをすればしっかり抑えられることを学びました。入学当初は、スピードだけを追い求めていましたが、コントロールの重要性をこの春に改め感じました。
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練習の最後にランニングを行う東海大福岡の選手たち
―― 最後の夏まであと1カ月半を切っていますが、現在はどんなこと意識して練習に取り組んでいますか?
森田 今シーズンは怪我もあり、なかなか試合で貢献することが出来ていませんし、主将としても精神的にまだまだ未熟だと感じています。夏までに自分の殻を破って、心身ともに強くなれるように思って練習に取り組んでいます。
藤木 自分は去年夏の大会に出場させてもらっているのですが、本当に暑くて試合後半になると気力も体力も落ちていってしました。夏はとにかく体力を奪われるので、夏に向けた体力作りをしっかりやりたいと思います。
重田 インコースのまっすぐは自信があるので、それを活かすための変化球磨くことに取り組んでいます。また藤木も言いましたが、夏の暑さにも耐えるような体力作りにも励んでいます。
大久保 自分は秋、春と何も結果を残せていません。ここぞという場面で、インコースに投げ込めるような制球力を身につけて、わかっていても打てない真っすぐを投げたいと思いながら練習をしています。
―― ありがとうございます!それでは最後に、夏に向けた意気込みを一言お願いします!
森田 今年の福岡は、本当にレベルが高いです。甲子園でも勝ち上がるようなチームや、九州大会で優勝するチームもいます。そういった強いチームに勝てないと甲子園には行けないと思うので、夏は強いチームを破って甲子園に行きたいと思います。
藤木 勝ち上がる中で、強いチームと対戦するのは絶対ですが、そこに至るまでに転ばないことも大事です。相手がどこであっても、キャプテンや副キャプテンを中心にチーム全員で勝ちにこだわっていきたいと思います。
重田 残りの期間で、キャプテン副キャプテンを中心にいいチームを作って、自分が投げて甲子園に連れて行くぐらいの気持ちでやっていきたいと思います。
大久保 自分も投手として、大会を全部を投げ抜くくらいの気持ちでやりたいと思います。平成も終わったので、令和最初の福岡の夏を獲りたいと思います!
森田選手、藤木選手、重田選手、大久保選手、ありがとうございました!夏の大会での活躍期待しています!
(取材・栗崎祐太朗)