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「センバツ90回・選手権100回」超え、新たな時代へ!2018年・四国高校球児ベストナイン 発表!

2018.12.30

 「平成最後」が頭に付いた2018年も終わりを迎えようとしている。今年は高校野球も「センバツ90回・選手権100回」のメモリアルだった一年。これまで全国大会で数々の栄光を勝ち取ってきた四国勢にとっても感慨深い2018年となった。

 そこで今回は高校球児を対象に四国地区ベストナイン……より勝ちにこだわった「2018年四国選抜」18名を紹介。改めて彼らの功績を讃えると同時に、新たな時代へ求めることも語っていきたい。

全国経験選手中心に「2018年・四国選抜」18名選出

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チームを夏の甲子園ベスト4に導いた鉄腕・山口直哉(済美)

 四国勢の2018年全国大会は、センバツ明治神宮大会王者の明徳義塾(高知)をはじめ、英明(香川)、松山聖陵(愛媛)、高知(高知)の4校が出場し明徳義塾(高知)が1勝。選手権では済美(愛媛)、高知商(高知)、丸亀城西(香川)、鳴門(徳島)がそれぞれ出場し、済美が4勝でベスト4、高知商が2勝を上げ2校とも福井国体に出場(高知商は初戦敗退、済美は1勝)。明治神宮大会では高松商が1勝をあげてベスト4入りを果たした。

 こう列記してみて振り返れば全国大会で勝利をあげた4校はいずれもチーム力と個のバランスが取れたチーム。ということで今回の「四国選抜」はこのベースをよりレベルを高めた中で形成できる選手を選出ポイントとしている。

 では、まずは選出の18名を以下の通り紹介していこう。末尾には打順やサブポジションも追記し、部長・監督・コーチ3名も選出してみた。

1:山口 直哉(愛媛・済美3年・右投左打)右翼手兼任・6番
2:芦谷 泰雅(愛媛・済美2年・右投右打)8番
3:中隈 廉王(高知・明徳義塾3年・左投左打)7番
4:矢野 功一郎(愛媛・済美3年・右投左打)1番
5:池内 優一(愛媛・済美3年・右投右打)3番
6:水野 達稀(香川・丸亀城西3年・右投左打)2番
7:谷合 悠斗(高知・明徳義塾3年・右投右打)4番
8:政吉 完哉(愛媛・済美3年・右投右打)9番
9:三浦 光翔(徳島・鳴門3年・右投右打)5番
10:市川 悠太(高知・明徳義塾3年・右投右打)投手・外野手
11:大前 輝明(香川・丸亀城西3年・右投右打)投手・左翼手
12:北代 真二郎(高知・高知商3年・右投右打)投手・一塁手
13:乗松 龍之介(高知・高知商3年・右投右打)捕手
14:藤田 昂志郎(高知・高知商3年・右投右打)二塁手
15:黒河 竜司(香川・英明2年・右投右打)投手・三塁手
16:飛倉 爽汰(香川・高松商2年・右投右打)外野手
17:湯浅 麗斗(徳島・生光学園3年・右投右打)外野手
18:土居 豪人(愛媛・松山聖陵3年・右投右打)投手

部長:梶原 大輔(高知・高知商部長)
監督:中矢 太(愛媛・済美監督)
コーチ:上田 修身(高知・高知商監督)
コーチ:荷川取 秀明(愛媛・松山聖陵監督)
コーチ:長尾 健司(香川・高松商監督)

[page_break: 3年生たちは「奮起」を、2年生以下は「さらなる向上」を!]

3年生たちは「奮起」を、2年生以下は「さらなる向上」を!

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プロの世界へと飛び込む市川悠太(左)と土居豪人(右)

 このメンバーを見て「え?」と思われた方も多いだろう。「なんで東京ヤクルトスワローズドラフト3位の市川投手と、千葉ロッテマリーンズドラフト8位の土居投手が控えなの?」など、異論は多々あるに違いない。ただ、このメンバー選出でもう1つ重視したのは「チームへの貢献度」である。

 市川、土居の両名で言えば、実力は大いに認めるところであり、2017年秋までの実績で言えば当然主力級である。しかし、2018年はセンバツで2人は実力の一端は示すもチームが求める位置には到達できず。夏は大黒柱の期待を背負うも甲子園出場を逃した。

 これから2人が進むNPBは個人の結果はもちろんのこと、チームへの貢献度が「年俸額・契約可否」というシビアな形で跳ね返る場所。2人には2018年の悔しさを糧にして、ぜひプロの世界で成功を収めてほしいし、ここには入れられなかった選手も含めて大学・社会人、独立リーグなどに進む他の3年生たちも、高校野球を通じ得たものをそれぞれの場所で活かしてほしい。

 そしてこの18名の中にはあえて2名の2年生(済美・芦谷、英明・黒河)を加えた。ワンシーム気味の捕球すること自体が難しい山口のスライダーをうまく使った芦谷のリードと、センバツの晴れ舞台で淡々と11三振を奪った黒河の投球内容は、3年生と伍しても十二分に評価できるものである。

 その半面、秋のパフォーマンスについては2人共に課題を残したことも事実。よって芦谷、黒河はもちろんのこと、今の2年生たち、1年生たち、そしてこれから高校球児になろうとする中学3年生たちは、今の自分に満足せず、個々の課題に向き合い「さらなる向上」をぜひ目指してほしい。

 試合に追われることなく、落ち着いて自分やチームと向き合える冬の期間こそ、飛躍の要素がいっぱい生活の中に埋まっている。それを発掘できるか。できないかは全て自分次第である。

 その先にある「新たな時代へ」。今回は「2018年・四国選抜」という形で功績を讃えさせて頂いたが、日本全国の高校球児、指導者、そして高校野球にかかわるすべての皆さまが2019年は幸多い一年となることを心から願いつつ、この稿を締めたい。

(文・寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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