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2019年のドラフト候補が多数浮上!きらりと光る活躍を見せた2年生の逸材をピックアップ!

2018.05.30

2019年のドラフト候補が多数浮上!きらりと光る活躍を見せた2年生の逸材をピックアップ! | 高校野球ドットコム
左から根本太一(木更津総合) 前田聖矢(日大三) 及川雅貴(横浜) 斉藤勇人(常総学院)

 健大高崎の優勝で幕が閉じた春季関東大会。高校生は最初の冬を乗り越えると、逞しさを身に着けるが、この大会でも多くの選手が成長を見せ、来年のドラフト候補が多く浮上する大会となった。

来年期待の速球派右腕たち

 まず高校野球ドットコムの計測で140キロ以上を計測した2年生投手は以下の通り。
145キロ 廣澤優日大三
142キロ 根本太一木更津総合
142キロ 飯塚脩人習志野
140キロ 久保田悠斗健大高崎
140キロ 岩崎海斗花咲徳栄
140キロ 遠藤 成東海大相模
 この大会で評価を高めたのは廣澤だろう。189センチから振り下ろすストレートには独特の角度があり、リリーフ時に投げ込むストレートは簡単に前に飛ばさせない勢いがある。先発では力配分を意識しているためか、常時130キロ後半がほとんどなので、いずれはリリーフ時で投げる140キロ中盤~145キロのストレートを先発で投げられるようになってほしい。その時、ストレートの最速は150キロ近くまで到達していることだろう。また、スライダーや打者の手元で大きく落ちるチェンジアップの精度も非常に高いのが特徴だ。

 140キロ後半の速球を投げる投手として評判だった根本太一健大高崎戦で7回途中まで力投を見せた。先発ながら1イニングに3、4球は140キロ台を計測しており、回転数も高く、質の高さが光った。まだ変化球の精度、制球力が課題だが、これからの2年間でしっかりと高めることを期待したい。

  県大会から140キロ台の速球を投げこんでいた飯塚は、日大三戦でも最速142キロを計測。また一定以上の制球力があり、120キロ台のスライダーの精度も高く、高校2年生としてレベルが高い投手といえる。夏へ向けて変化球の精度も、速球のコントロールを1つずつ高めていきたい。

 関東大会優勝の健大高崎は野手のレベルの高さが光ったが、投手にも逸材がいる。それが準決勝、決勝で好リリーフを見せた久保田悠斗だ。165センチと小柄ながら、気合満点で投げ込むストレートは威力があり、球速表示以上に勢いがある。健大高崎は継投制を敷いているので、先発完投する機会は少ないが、与えられたイニングでは、無失点に抑えられる安定感と投球術を身に付けてほしい。

 岩崎は2試合でリリーフ登板。岩崎の良さは上半身、下半身の動きが連動した投球フォーム。ストレートは140キロ前後ながらボールの質が良く、125キロ前後のスライダーの精度の高さも魅力的で、同タイプだと花咲徳栄綱脇彗(東北福祉大)を思い出すが、その綱脇より上の逸材だといえる。関東大会では強豪と対戦した経験をどう生かすか注目していきたい。

 遠藤は縦振りのフォームから繰り出す常時130キロ後半の速球が持ち味の本格派。ただ一本調子で、常総学院戦では140キロのストレートをレフトスタンドに叩き込まれた。夏へ向けて投球術を磨き、速球派投手として活躍を見せたい。

 最後に現役高校生最速左腕・及川雅貴(横浜)に触れたい。木更津総合戦で登板した及川は、5.2回を投げて150キロを計測したストレートを軸に9三振を奪う一方で、終盤に捕まり6失点を喫した。まだイニングごとにムラがあるのが課題だろう。この関東大会では150キロを投げられた収穫とスタミナ不足の課題を得た。夏までどんな成長を見せてくれるのか、楽しみにしたい。

[page_break:すでに来年のドラフト候補として意識できる常総学院の両主砲]

すでに来年のドラフト候補として意識できる常総学院の両主砲

2019年のドラフト候補が多数浮上!きらりと光る活躍を見せた2年生の逸材をピックアップ! | 高校野球ドットコム
菊田拡和(常総学院)

 一方、野手でもドラフト候補を意識できる野手も多く登場。ベスト4の常総学院斉藤勇人菊田拡和の2人はスラッガーコンビとして人気が高くなりそう。斉藤は準々決勝、準決勝で2試合連続弾。特にストレートに対して強く、140キロ以上の速球にも対応できる。夏へ向けてかなりマークされることが予想されるので、そのマークを乗り越えるだけの技術、対応力を磨き上げることができるか。

 菊田は日大三戦でバックスクリーン弾が印象的。ただ引っ張りに入らず、逆方向にも鋭い打球を打てるのがストロングポイント。打者としての雰囲気、パワーは常総学院OB・内田靖人(東北楽天)を思い出させる選手で、これからどんな進化を辿るか、楽しみな選手だ。

 準優勝の日大三前田聖矢の活躍が光った。前田は、元プロ野球選手の前田行長氏の息子。親譲りの野球センスの高さを武器に、攻守で精度の高いプレーを披露する好打者だ。打っては習志野戦で本塁打を放ったが、インパクトまで最短距離で振り抜けて、さらに強いスイングができるのが強み。守っては常総学院戦ではアウトにできなかったもののダイレクト返球を見せた。現在は6、7番打者だが、練習試合の2試合目では1番を打っているようで、新チーム以降、核弾頭として活躍する可能性は高く、今から注目してほしい。

 ベスト8で敗れた横浜は1番小泉龍之介、5番内海貴斗に注目。小泉は2回戦の明秀日立戦の9回表に追加点となる3ラン。昨年に比べて長打力も出てきて、強打の1番打者へ成長。守備範囲が広い中堅守備と強肩も武器で、打撃面でさらに隙がなくなると楽しみ。内海は明秀日立戦で逆転2ランを放った。アクションが大きい独特の動作から豪快に振り抜き、広角に本塁打を打てるスラッガーだ。また安定したグラブ捌きが光る一塁守備も必見。横浜は毎年、攻守のレベルが高く、スケールが大きい野手を育てるところが素晴らしい。この2人の進化が楽しみだ。

 花咲徳栄韮崎雄也専大松戸戦で同点適時二塁打を放つなど、2試合で10打数4安打4打点の活躍。幅広いコースに対応できるバットコントロールの良さ、強肩とフットワークが光る遊撃守備は2年生として高レベル。2年前プロ入りした岡崎大輔(オリックス)を超えるショートになれるか注目したい。

 2年生も実に好選手が多かった。関東大会の経験を糧にぜひ夏、そして秋にブレイクすることを期待したい。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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