リリースポイント(5)~角度によるボールの到達点の違い~
来春の秋季大会に向け、各地区予選が始まっている地区もありますね。ここでの勝敗ももちろん大事ですが、さらに大事なことは課題を明確にすること。
最終的な目標は来夏ですからそこにピークを合わせるためにもこの秋の試合で課題を明確にし、課題克服を来春~来夏までに行わなければなりません。重要な大会ですよ、秋季大会は!!!
角度によるボールの到達点の違い・問い
今回もリリースポイントでのチェックを復習しましょう。
(1)両肩のラインと腕の角度はほぼ一直線(第37回コラム リリースポイント2)
(2)肘は少し伸びるくらい。45°以上曲がらない。(第38回コラム リリースポイント3)
(3)前腕に対して真っ直ぐ。(第39回コラム リリースポイント4)
以上3点が理想のリリースポイントでした。
今回は前回皆さんに質問をしていた問題の回答です。
■まずは1球ボールを投げました。すると、ど真ん中にいったとします。次に投げたボールは1球目より1°角度を下に向けて投げました。1°です。下に向けて投げていますから、もちろん1球目より低めにいきます。
さてここで問題です。2球目のボールは1球目のボールよりどれくらい低めにいくでしょうか?
※18.44先の距離です。ここでは重力や回転の影響は無視して単純に距離と角度で考えて下さい。
角度によるボールの到達点の違い・答え
皆さんいかがですか?どれくらい低めにいくでしょう?
答えは……………
『32cm』です。
と言うことは、1球目ど真ん中だったボールが2球目1度下に傾くと、次は完全にボール、ということです。それぐらいコントロールを維持するのは難しいのです。
3度下に傾くとベースより前で地面につくようなワンバウンドの投球になります。プロ野球でも時々見られますし、少年野球レベルではよく見られます。
プロ野球選手でも構えたところにボールがいく投手は、10球中6~7球と言われています。平均的にいっても10球中5球以下でしょう。
大半の小学生は構えたところにほとんどいきません。
しかしコントロールを上げる努力をしないと一向にコントロールは上がりません。ではどうやったらコントロールが上がるのか?
[page_break:手首を使って投げてはいけない理由]手首を使って投げてはいけない理由
その前に前回までで説明していた、手首の角度は前腕に対してほぼ一直線、と言う話ですが、なぜそうしなければならないのか?
要は手首を使って投げてはいけない、手首は前腕に対して一直線のまま固定しなければならないという事なのですが、その理由は上で説明した角度の問題なのです。
高校生の皆さんは、『円の半径の長さと円周の移動距離による角度の違い』は分かりますか?なるべく分かり易く説明していますが、以下の説明で分からない選手は学校の先生に聞いてみましょう!!!
よく『もっと前で投げなさい』と言われることがありますが、どう言う意味か分かりますか?
通常高めにボールが浮いた場合にこのように『前で投げなさい』と言われます。それは投球動作の腕の軌道が円運動に近い動きで投げているからです。
なぜ高めにボールが浮くと、前で投げる(リリースする)必要があるのか?投球動作での円運動は、円の頂点から下方向へ向かいながらリリースされます(極僅かですし、人によっても違いがあります)。円は前にいけばいくほど下に下がります。
だから前でリリースすればするほど、ボールの軌道は下を向くのでボールは低めにいくことになるのです。
ここまでは大丈夫ですね?
いきなりいろいろ説明すると混乱するので今回はここまで。次回はもっと詳しい話をしたいと思います。
【リリースポイントについてのコラムを合わせてチェック!】
■リリースポイント~自分のリリースポイント知っていますか?~
■リリースポイント(2)~自分のリリースポイント知っていますか?~
■リリースポイント(3)~自分のリリースポイント知っていますか?~
■リリースポイント(4)~自分のリリースポイント知っていますか?~
(文・写真:久保田 正一)