試合レポート

県立和歌山商vs紀央館

2020.07.30

1回に大量得点を奪った県立和歌山商がコールド勝ち

県立和歌山商vs紀央館 | 高校野球ドットコム
1回裏に適時内野安打を放った高岡宗摩(県立和歌山商)

 秋8強の和歌山商と新人戦で智辯和歌山を倒している紀央館の一戦は予想外のワンサイドゲームとなった。

 紀央館はエースの井戸柊太(3年)の疲労を考慮して背番号8の山田尋誠(3年)を先発に立てたが、「今年の夏に投げるのが初めてということで、力みがありました」と制球が定まらない。打者5人に対してアウトを一つしか取れずに4四球の大乱調で早くもマウンドを降りることになった。

 2番手でマウンドに上がった見﨑冠栄(2年)も打者6人に対して5四死球と流れを止められない。一つもアウトを取ることができず、3番手の田中弘哉(3年)にマウンドを譲った。和歌山商は田中に対しても3番・宮本泰誠(3年)、4番・宮田樹(2年)の適時打で追加点を挙げ、初回だけで11点のリードを奪うことに成功した。

 まさかの大量失点に「私の見極め不足じゃないですかね。不安要素を上手く取り除いてやれなかった」と話した紀央館の吉水智章監督は責任を背負い込んだ。2回からは井戸が好投を見せるが、「11点は関係ない。『0対0のつもりで1点を取りに行くぞ』と選手を鼓舞しました」(田中誠藏監督)と県立和歌山商も盗塁を絡めながら貪欲に1点を取りに行く。

 5回裏には1番・小池陸斗(3年)のスクイズなどで3点を追加。投げては先発の2年生左腕・宮田率生が「100点満点の投球をしてくれました」と田中監督が絶賛する投球内容で6回途中まで無失点の好投。左打者が多い紀央館に対してストレートとスライダーを上手く織り交ぜながら相手打線をほんろうした。

 紀央館宮田率がマウンドを降りた後に一死満塁から4番・山田の犠飛で1点を返したが、反撃はここまで。序盤に大量リードを奪った県立和歌山商が3回戦進出を決めた。3回戦では新人戦の準決勝で敗れている日高中津と対戦する。「日高中津さんには去年に惜敗しているので、何とか一矢報いたいと思います」と田中監督は次戦に向けて意気込んでいた。

(取材=馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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