試合レポート

鳥羽vs立命館

2019.05.13

鳥羽が打ち合いを制す

鳥羽vs立命館 | 高校野球ドットコム
最後の打者を打ち取って喜ぶ吉賀瑛音(鳥羽)

【熱戦の模様をギャラリーでチェック!】

 両チーム合わせて29安打、2時間50分の大熱戦は中盤以降、着実に加点した京都鳥羽が勝利を収めた。

 前半は立命館ペースだった。1回表に無死二、三塁から3番・谷山拓郎(3年)の2点適時打で先制点を挙げる。1点リードの5回表には無死一塁から阿部旅人(3年)の左線適時二塁打で追加点を挙げると、二死三塁から7番・高橋直輝(3年)が右中間を破る適時二塁打でさらに1点を追加した。その後、相手のバッテリーミスで追加点を奪ってこの回4得点。5回表を終えて5対1とここまでは立命館が優位に進めていた。

 だが、京都鳥羽も1回戦の京都すばる戦では5回表を終えて2対7の5点ビハインドから逆転勝ちを収めている。「前半に点を取られても1点ずつ返して、後半に接戦に持ち込んで、粘り強さを出すということを練習してきたので、何も焦ることなく前向きに捉えていました」と主将の吉賀瑛音(3年)が話すように選手たちには全く焦りは見られなかった。

 5回裏に無死二、三塁から3番・上羽航生(3年)の適時内野安打で1点を返すと、なおも一、三塁のチャンスで4番・作本怜央(3年)が右前適時打を放ち、3点差に迫る。ここで立命館は先発の中村優成(2年)に代えて背番号1の田中慶児(3年)が登板。立命館は継投で逃げ切りを図るが、勢いに乗った京都鳥羽打線は止まらない。

 京都鳥羽は変わった田中からも6番・新子晃(3年)の内野ゴロと7番・伊部直彦(3年)の適時打で得点を重ねて1点差にまで詰め寄った。

 こうなると流れは一気に京都鳥羽に傾く。6回裏に二死一、二塁から作本の右線適時二塁打でまず同点。7回裏には一死一、二塁から5回途中から登板している吉賀がレフト戦への2点適時二塁打を放ってついに勝ち越し。その後も着実に得点を加えて、4点リードで最終回に突入した。

 このままでは終われない立命館も意地を見せる。9回表に二死満塁から2番・藤井敏暉(3年)が2点中前適時打を放ち、2点差に追い上げた。さらにこの場面でバックホームを投げた中堅手の鈴木隼介(3年)が足を攣るアクシデントで試合が中断し、京都鳥羽にとっては嫌な流れとなる。それでも集中力を切らさなかった京都鳥羽は吉賀が続く打者を二塁ゴロに打ち取って試合終了。10対8で京都鳥羽が激闘を制した。

 京都鳥羽の3年生は4年前に出場した甲子園を見て入学を決めた世代。入学してからなかなか上位に進出できていなかったが、「決勝や近畿大会に行きたい」と挑んだ今大会で彼らにとって初の4強入りを果たした。

 京都鳥羽は4月から監督と部長のポジションが入れ替わり、今大会から松下浩司監督、山田知也部長の体制となっている。「我々が変わることで生徒たちの刺激になれば」(松下監督)と心機一転で臨む今大会で大きな成果を残すことができるだろうか。

(文:馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.22

【愛知・全三河大会】三河地区の強豪・愛知産大三河が復活の兆し!豊川を下した安城も機動力は脅威

2024.05.23

春季関東大会でデビューしたスーパー1年生一覧!名将絶賛の専大松戸の強打者、侍ジャパンU-15代表右腕など14人がベンチ入り!

2024.05.22

【宮城】仙台育英は逆転勝ち、聖和学園が接戦を制して4強入り<春季県大会>

2024.05.22

【北信越】帝京長岡の右腕・茨木に注目!優勝候補は星稜、23日に抽選会

2024.05.22

【秋田】明桜と横手清陵がコールド勝ちで4強入り<春季大会>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.04.23

床反力を理解しよう【セルフコンディションニングお役立ち情報】

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?