新潟vs関根学園
投打ガッチリ噛み合い、新潟30年ぶりにベスト4!
試合前、照明が点灯し、カクテル光線の中行われた準々決勝第4試合。ノーシードから勝ち進んだ新潟が昨年の準優勝校・関根学園と対戦したこの試合は、新潟が投打に圧倒した。
初回、新潟は先頭のサウスウイック(3年)がレフト線をやぶるツーベースで出塁すると、続く2番・河内(3年)の犠打が内野安打となり、チャンスを広げる。
一死後、4番の1年生・森田(1年)が四球を選び、満塁とすると5番・江部(3年)のタイムリー、内野ゴロなどの間に3点を先制。関根学園先発の中村(3年)を攻め立てる。
新潟の先発は、昨夏も主戦として投げていたエース・諸橋 慶多(3年)。諸橋は序盤、ランナーを許しながらも要所を締め、関根学園に得点を許さない。
追加点が欲しい新潟は4回、下位打線でチャンスを作ると、3番・諸橋が2点タイムリーを放ち、リードを5点に広げる。
自らのバットで点差を広げた諸橋は、中盤以降、テンポのいいピッチングで、関根学園にランナーを許さない。
一矢報いたい関根学園は8回、諸橋を攻め、一死一、二塁のチャンスを作るが、後続が倒れ、得点できない。
諸橋は最後まで関根学園に的を絞らせず、終わってみれば92球の省エネ投球で完封。5対0で新潟が準決勝へ駒を進めた。
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エキサイティングプレイヤー・諸橋慶多(新潟・3年・投手)
成長の成果をマウンドで発揮する。
新潟県内屈指の進学校・新潟のエース・諸橋は準々決勝の大舞台でまさにエースと呼ぶにふさわしい投球を見せた。
昨夏の2回戦、諸橋は後に甲子園ベスト4まで進出する日本文理と対峙した。
2点ビハインドの六回から登板し、三イニングを1失点。チームは1対3で敗れた。
結果だけ見れば、十分過ぎる内容。だが試合後、諸橋は悔し涙を見せ、スタジアムを後にした。
二ヶ月後、新チームで臨んだ秋季大会準々決勝。相手は強力打線が売りの北越。
序盤から自慢のストレートが走り、スライダーもキレていた諸橋のピッチングに北越打線は翻弄された。
相手エラーにつけ込み、打線も4点を挙げ、新潟優位のまま試合は終盤へ。
だが、球数が100球を超えた八回、北越に同点に追いつかれると、九回には勝ち越しを許し、そのまま6対4で敗れた。
ストレートでの勝負にこだわり、球威に任せた結果、スタミナが切れてきた終盤につかまった結果だった。
この試合、その反省を生かしたかのように、ストレートを見せ球に、右打者のストライクゾーンからボールになっていくスライダーを効果的に使い、関根学園打線を抑えこんでいく。特に、味方がリードを5点に広げた四回以降はわずかヒット2本しか許さず、早いカウントで打ちに来る関根学園を手玉に取った。
終わってみれば、九回をわずか92球で完封。最後まで球威も衰えず、文字通り関根学園打線に的を絞らせない圧巻のピッチングだった。
準決勝は、伝統の強力打線が自慢の日本文理。諸橋がこの日見せた大人のピッチングが、日本文理の中軸をどう抑えるのか。
準決勝が楽しみだ。
(文=町井敬史)
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