ロッテ高卒投手は佐々木朗の飛躍に期待大
佐々木 朗希(ロッテ)
2021年のペナントレースは、セ・リーグがヤクルト、パ・リーグはオリックスが優勝を飾った。ヤクルトは奥川恭伸投手(星稜出身)、オリックスは宮城大弥投手(興南出身)と高卒2年目の投手が飛躍。チームに欠かせない存在となった。その他にもロッテ・佐々木朗希(大船渡出身)や阪神・及川雅貴投手(横浜高出身)ら、同じく高卒2年目の投手がクライマックスシリーズに進出したチームの戦力となった。
彼らのように生え抜きの高卒投手が早い段階で計算できるようになると、チームにとってはこの上なく大きい。国内FA権の取得までの期間が大学生や社会人出身の選手と比べ1年長いからだ。
さて、各球団の生え抜き高卒投手は、今シーズンどれだけの勝ち星を挙げているのかを振り返ってみたい。
2年連続でクライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージで敗退したロッテは、高卒7年目の岩下 大輝が23試合(先発21試合)に登板し8勝を挙げた。登板試合数と勝ち星のいずれも自己最多だった。3年連続で17試合以上に先発したことになるが、まだ規定投球回に到達したことはない。今シーズンも投球回数は120回にとどまった。来シーズンは規定投球回到達が目標となる。
高卒8年目の二木 康太は22試合(先発21試合)の登板で5勝7敗、防御率4.38の成績だった。前年の9勝3敗、防御率3.40からすると少し物足りない。2017年に規定投球回に到達して以降は先発ローテーションを担ってはいるものの、規定投球回には届いていない。岩下同様に年間を通じて先発ローテーションを守りたいところだ。
2019年ドラフト1位の大物・佐々木 朗希は3勝を挙げた。ゆとりのあるローテーションを組まれていることもあり11試合の登板と試合数自体は多くない。それでも63.1回を投げ68奪三振、防御率2.27と高卒2年目としては文句なしの成績を残している。CSのファーストステージで6回1失点(自責0)、10奪三振と好投しチームに勝利を呼び込んだ勝負強さもある。一般的な先発ローテーション投手に求められる中6日での登板ができるようになるであろう来シーズンは先発投手陣の柱となりそうだ。
中継ぎ陣では唐川 侑己が4勝、大嶺 祐太が1勝をそれぞれ挙げた。
岩下、二木、佐々木朗やトミージョン手術からの復帰を目指している種市篤暉など生え抜きの高卒投手が先発投手陣の多くいる。このなかから来シーズンは規定投球回に到達する投手が生まれることに期待がかかる。
<ロッテ・生え抜き高卒投手勝利数>
チーム勝利数:67勝
生え抜き高卒投手勝利数:21勝(31.3%)
(8勝)岩下大輝(星稜→2014年3位)
(5勝)二木康太(鹿児島情報→2013年6位)
(4勝)唐川侑己(成田→2007年高1巡)
(3勝)佐々木朗希(大船渡→2019年1位)
(1勝)大嶺祐太(八重山商工→2006年高1巡)
(記事:勝田 聡)