試合レポート

明大中野vs都立清瀬

2016.10.15

「強く振って行け」の指示を徹底した明大中野が、清瀬の好投手を攻略

明大中野vs都立清瀬 | 高校野球ドットコム

「強く振って行け」の指示を徹底した明大中野が、清瀬の好投手を攻略

 初戦で専修大附に快勝した都立清瀬。磯村 健二監督も、「会心といってもいい内容の試合でした」と喜んでいたが、その勢いが2回戦にも続いているか注目した。明大中野も、初戦は先制点を許しながらもすぐに追いつき逆転しての勝利である。
都立清瀬は、エースで4番を打つ清水君がこの日も期待を担っての先発マウンドに立った。明大中野は背番号11で1年生ながら、中学時代(世田谷西シニア)の実績があるので、キャリアは豊富だという石川君。体はそれほど大きくないが、右サイドからのクセ球が有効で、スライダーを中心に、チェンジアップにツーシームなどを多彩に投げ分けていく。

 ある程度は投手戦になるかと思われたが、明大中野が相手のミスに乗じた形で上手に序盤から得点を重ねていった。

 初回の明大中野は、一死から2番の吉田君が二塁打で出ると、内野飛球落球などで二死一三塁とする。ここで、力んだ清水君に暴投が出て、明大中野は労せずして先制得点が入った。さらに、3回にも明大中野は吉田君が左前打で出ると、盗塁と暴投で三塁へ進み、4番斎藤 幹也君の中前打で帰し、さらにバントで進めて、四球後7番福島君が中前打して3点目。清水君も、自身の暴投などもあって、もう一つ苦しい投球になっていったところをしっかりと明大中野打線が叩いていった。

 明大中野の岡本良雄監督は、「投手はいいと聞いていましたので、それほど点は取れないと思っていました。差し込まれたところもあったのですが、目いっぱい振っていけという指示を出していました。その通りに、強く叩いていってくれて、それが間を抜けていくこともあって、何とか得点になりました。相手のミスの後にそれが出たのが大きかったですね」と、積極性がよかったと振り返った。

 明大中野は[stadium]多摩一本杉球場[/stadium]にほど近い、かつて南野高校があった場所に専用球場を作って4年目。選手たちは学校から1時間以上かけて通っているのだが、中には千葉県から通っている生徒もいるので、「選手は本当によくやっていますよ。専用球場が出来たことで、間違いなく外野手の守りや中継プレーは格段にうまくなりました」と、岡本監督は、やはり専用球場が出来たことによる効果はあるという。とはいえ、必ずしも恵まれているわけではない練習環境の中で頑張っている選手たちのことも評価していた。

 初回と2回、失策や四球で無死の走者を出しながらも得点に結び差つけられなかった都立清瀬。結局、その間にリードを奪われたことで試合の主導権も与えてしまって、ついぞ自分たちの流れに持ち込むことができなかった。踏ん張っていた清水君が7回に追加点を奪われたことも痛かった。8回には、リリーフした高木君がもう一つ制球もまとまり切らず、押し出しが続いたことで大量点を許してしまった。序盤の競り合いからは考えられない形で、終わってみれば大差の試合となってしまった。
エースが降板したことで、結果的にはコールドゲームになってしまった都立清瀬だったが、「清水が捕まってしまうと、こうなってしまいます。どうしようもなかったですね」と、磯村 健二監督は肩を落とした。

(文・写真=手束 仁

明大中野vs都立清瀬 | 高校野球ドットコム
注目記事
・2016年秋季大会特設ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.15

西東京大会は激戦ブロックが続出!昨夏甲子園出場の日大三は国士舘と同ブロック!【2024年夏の甲子園】

2024.06.15

東東京の横綱に上り詰めた帝京、関東一の軌跡~前田三夫と小倉全由、2人の名将~【東西東京大会50周年物語③】

2024.06.15

【福島】日大東北がサヨナラ勝ち、帝京安積はコールド勝ちで4強入り<春季支部選手権大会>

2024.06.15

今年の東京は「スラッガー大豊作世代」! 超進学校に現れた「プロ入り明言」の二刀流、木製で本塁打量産の早実のスラッガーなどが夏を盛り上げる【注目選手リスト】

2024.06.15

“超不人気”だった東京の高校野球を「3つの出来事」が変えた! 東京ローカルチーム・桜美林の全国制覇、都立高の甲子園出場、そして……【東西東京大会50周年物語②】

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】

2024.06.11

センバツ出場・東北のレギュラー左翼手がプロボクサー挑戦へ! エースはENEOS、主力は國學院大、国士舘大などへ進学【卒業生進路】

2024.06.14

15日に夏の甲子園抽選会!超激戦区・愛知が誇る逸材を一挙紹介!素材の宝庫・愛工大名電、中京大中京の149キロ右腕…そしてモイセエフはどこまで成長したのか?今年も全国クラスの逸材が点在!【注目選手リスト】

2024.06.11

【北海道】十勝支部は12日に抽選会!帯広大谷、白樺学園の初戦の相手に注目<夏の甲子園予選組み合わせ>

2024.06.10

【沖縄】11日に抽選会!春の覇者・エナジック、ノーシードの沖縄尚学の対戦相手に注目<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得