目次

[1]中学時代は控え選手だった
[2]徹底としたフィジカル強化で大化け
[3]打撃も急成長。「プロ野球選手」にはめっちゃなりたい


 ドラフトにおいて人気になる選手のタイプのひとつに、俊足強打強肩の大型遊撃手が挙げられる。これは昭和の時代からずっと続いてきた傾向だ。今年はそんな高校生の大型遊撃手が愛知県にいた。イヒネ イツア内野手(3年)だ。

 両親はナイジェリア人。愛知県で生まれたイヒネは184センチ、83キロと恵まれた体格から、高校通算14本塁打の長打力を持つ。それだけでなく、30メートル走では3.9秒台を計測する俊足と強肩も武器にした守備も持ち味だ。

 アフリカにルーツを持つ野球選手はプロ、アマ通して見てきたが、体型はまるで陸上選手という表現がピッタリ当てはまる。足が長く、スタイルも抜群と形容できる高校球児を久しぶりに見た。

 そんなイヒネに対して、12球団のスカウトが熱視線を送り、MLBのある球団も視察しているという。夏を前に、注目度が急上昇すること間違いなしのイヒネの成長ストーリーに迫っていく。

中学時代は控え選手だった


 この春からスカウトの間で一気に注目度が上がったイヒネ。スタンドから見る公式戦だけでなく、グラウンドレベルで見ることができる練習からも多くのことが分かる。

 愛知県犬山市ののグラウンドへ足を運べば、真っ先に目につく。キャッチボールから明らかにリストの強さが分かる強い球を投げていて、持ち替えも速い。ノックに入ると、長い足を生かして、深い位置からでも追いついて鋭い送球をする。打撃練習では、次々と本塁打性の当たりを見せるのはもちろん、左中間にも鋭い打球を飛ばす。しかも使用しているのは低反発バットだ。

 スカウトが注目するのも頷けるパフォーマンスだ。両親がナイジェリア人で、姉1人、兄2人の末っ子。姉は陸上、長兄はバレーボール、次兄は野球とまさにスポーツ一家の環境下で育った。イヒネはサッカーをやっていたが、友達に誘われたのがきっかけで野球を始めた。

「やってみたら面白いと思ったので、じゃあやってみようと」と小学校3年生から野球を始める。「足の速さには自信がありました。小学校時代の運動会では、常にアンカーで、ずっと一位でした」。俊足を生かして遊撃手と中堅手をこなしていた。

 萩山中では、軟式野球クラブの名門・東山クラブに所属するも、不動のレギュラーというわけではなく、出場するときは6番だった。

「センターを守っていましたしたが、全然パワーはなかったですし、打球も飛ばなかった打者でした」

 当時の4番には日本航空石川に進んで主砲に成長している内藤 鵬内野手(3年)がいた。当時の中学球界では無名の存在。そんな中、イヒネの身体能力の高さ、将来性の高さを評価して一番最初に声をかけたのがだった。その選択は正解だった。

PHOTO GALLERY フォトギャラリー

写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます。